2017
12.21

2017年12月21日 処分

らかす日誌

へーっ、そんなものかね。

日馬富士の「暴行」事件で、日本相撲協会が横綱白鵬と鶴竜への懲戒処分を決めたそうだ。現場にいながら事件を防げなかった責任を重く見たのだそうで、2人は減給されるのだとか。

それ、ちょっとひどすぎやしないかい? 

この事件、学校の教室に例えれば、仲良しグループが児童会長(=白鳳)を交えて遊んでいた。副会長(=日馬富士)は会長長と同じ団地から通っており、常々会長を尊敬していた。
そこに、一人おかしなヤツがいた。やっぱり同じ団地に下級生(=貴ノ岩)である。家が近所だから会長は仲良くして、勉強を教えてやるなど何かと面倒を見ていたのだが、このごろ態度が悪い。副会長もこの子とは仲が良かったのだが、余りのことだと思い、

「お前さ、もう少し態度を改めた方がいいと思うぞ」

と注意した。ところがこの下級生、素直に副委員長の話を聞かない。そればかりか、ふいと横を向いたかと思うとスマホを取り出し、なにやら操作し始めた。

副会長はカッとなった。普通、こんな目にあったら誰だってカッとなるだろう。カッとなった副会長は思わずぶん殴った。
その程度の話である、と私は思う。

それが、下級生の親が警察にチクった。提出した診断書は全治2週間である。怪我の診断書を書いてくれと頼まれた医師が書く、最も軽度の診断書であることは前に書いた。

親も親である、とは思う。しかし、それにも増して

「あれま」

というのがマスメディアである。暴力許すまじ、の建前論を繰り返し、横綱の品格問題まで持ち出して日馬富士を非難した。耐えきれず、日馬富士は引退した。

それだけでもいかがなものかと思っていたら、今度は相撲協会が

「その場にいながら暴力を止めなかった」

と、会長と、やっぱり一緒に遊んでいた風紀委員長(=鶴竜)を停学処分にした。副会長はすでに転校してしまったから処分できない、ということらしい。
これ、ずさんすぎないか?

私はこの「暴行」事件はたいしたことではないと思っているが、百歩譲ってたいしたことだ、としても、である。そこに同席していたから、という処分ってありなのか? しかも、記事を見る限り、止めようとしたら止められたのか、という検討が行われたという節はない。

私がそんな処分を受けたら、

「誠に申し訳ありませんでした」

と素直に反省できるか? 私には、できない。

「何で俺が処分されるわけ?」

と疑問を憶え、むかつく。
日本相撲協会って、どんな組織なのだろう?


横綱審議委員会も同じ日に開かれたそうだ。こちらは、白鳳と貴乃花を批判したのだという。
貴乃花への批判はとりあえず横に置く。

「何だこれは?!」

と呆れたのは、白鳳への批判だ。

北村正任という委員長は記者会見で

「白鳳の取り口への批判がたくさん寄せられております」

としゃべったというのだ。
批判は、

・張り手、かちあげが多い

・横綱相撲とはいえない

・美しくない

・見たくない

が多かったというのだが、これ、「批判」か? 張り手、かちあげは相撲に認められたた技である。それを多用するのがなぜいけない?
残りは、

「私は白鳳が嫌いである」

ということを別の言葉で語ったに過ぎない。これ、批判?

これらをまとめて「批判」と呼ぶ。この北村さん、もとは毎日新聞の記者であるそうだ。この程度の言語能力で記事を書いておられたか。

また、毎日新聞の会長も務められたとネットで知った。会長とは経営陣のトップである。
組織に寄せられる声は、ほとんどが

「けしからん」

というものである。満足している人はわざわざ投書をすることはない。横綱審議委員会に

「白鳳は素晴らしい横綱である。日本の力士が揃って無様な中、モンゴルからわざわざやってきて大相撲を支え続けている偉大な人物だ」

と投書したって意味がないからだ。
だからトップは、寄せられる投書に目を通すことは必要でも、必要以上に投書に縛られては全体が見えなくなる。数多くとはいったい何通のことなのか。例えば100通寄せられたとして、相撲ファンは全国に何人いて、100人はそのうちの何%に当たるのか。それをきちんと分析しなければ組織の運営はできないのである。

ひょっとして毎日新聞は、たった3通寄せられた投書を

「民の声」

と思って編集方針を決めてきたのか?

九州場所11日目の、白鳳による「立ち会い不成立」という抗議にも、北村さんは厳しい意見をお持ちのようだ。
しかし、選手による異議申し立てがいまだに認められないのは、数あるスポーツの中でも相撲程度である。大相撲はいつまで旧態依然たるルールを墨守し続けるつもりなのだろう。
このような

超保守主義

ともいえる感性をお持ちの方が新聞社の経営トップであった。何か、出来の悪いジョークを読んでいるような気分である。

最後になったが、私は相撲ファンではない。相撲の中継を見なくなって、もう何十年もたつ。よって、だから、白鳳ファンでも日馬富士ファンでもない。
今回のバカ騒ぎ(中でもテレビはひどかった。特にTBS)に腹立ちを憶えているだけのことである。