2018
03.18

2018年3月18日 車検

らかす日誌

私の新しい中古車は、今月車検を迎えた。新車の時から勘定すれば、5年目、2回目の車検である。
それで先週水曜日、オークションで落としてくれた整備工場に持ち込んだ。何と、わずか2日で仕上がり、金曜日の朝には引き取りに行った。
その場で、

「これだけかかりました」

と差し出された請求書を見て、我が目を疑った。

7万8790円

これ、整備費用だけの請求書ではない。自賠責、重量税込み、つまり、車検にかかる全費用を合計しての請求書である。
思わず、私の口をついて出た言葉は

「たったこれだけ?」

いや、お金を払うのは私である。だから、私が言ってはおかしいのかも知れない。だが、出てしまったのである。
だって、車検の全費用が10万円以下なんて、聞いたことも見たこともない。新車で買ったBMWの3年目、初めての車検でも20万円を少し切るぐらいのお金を請求された記憶がある。その昔、ホンダ・アコードをユーザー車検代行に頼んだ時も、10万円では足りなかった。
それなのに、5年、2回目の車検だったBMWの総費用が8万円もかからない?
 

事前に、乗って気になるところが3点あった。

・発進時に、かすかにブレーキが鳴る
・サイドブレーキから時折異音が出る
・フロントガラスの油膜が取れない

である。

「はい、見ておきます」

と返事をもらっての請求書がこれである。

「ブレーキもばらして点検しました。特に異常は認められません。サイドブレーキはかみ合わせを調整しました。フロントガラスは磨きました。他はどこも悪いところは見あたらず、ブレーキオイルは車検時に取り替えることになっているので取り替えましたが、他には何もありません。前に乗ってた人が丁寧に手入れしていたんでしょうね」

いや、この車の前に乗っていたBMWも、私はちゃんと手入れしていたはずである。故障の時はもちろんすぐに直したし、車検時も

「これ、取り替えた方がいいと思いますが」

といわれたパーツは必ず取り替えていた。それでも1回目の車検は20万円近くかかったし、2回目もその程度はかかった記憶がある。それが8万円もかからなかった。
故障に悩まされた前の車と違い、この車は当たりがよかったのか?
先行きを見なければ何ともいえないが、もし当たりがよかったとすると、この車との付き合いは相当長期にわたると思われる。年金生活者にはこの上なくありがたいことだ。

そうそう、車の話を書いたついでに、いまの車のことを少し書いておこう。
乗り始めて4ヶ月を過ぎた。すこぶる快調である。この間の走行距離は5000kmほど。瑛汰の「家庭教師」役で横浜に行くことが増えたため、走行距離の伸び方が大きい。

この車は「ECO PRO」「コンフォート」「スポーツ」と、3段階に走行モードを切り替えることが出来る。何もしなければ「コンフォート」モードで、最初はもっぱらこれで走っていた。
しばらく立って、長男に

「ECO PROも結構使えるぜ」

といわれ、試しに切り替えボタンを押してみた。以来、私は「ECO PRO」でしか走らなくなった。

このモードにすると、エンジンの回転数が低い時、わずかに

カラカラ

という感じの、いかにもディーゼルですよ、という音がする。が、気になるほどではない。
それを上回って面白いのが、燃費の改善具合を数値で教えてくれることである。私はこれがすっかり面白くなってしまったのだ。

燃料を入れると、この数字はゼロに戻る。走っていると、そのうち0が+0.1になり、+0.3になる。よく分からないが、いま入れた燃料で、多分、「コンフォート」モードで走った時に比べて、走ることができる距離がこれだけ増えました、ということらしい。
現状、燃料を満タンにして70kmほど走り、燃費の改善は+3.2km程度である。はっきり言って、たいしたことはない。一度燃料タンクが空っぽになる寸前まで走ったら+80程度まで行ったが、そのあたりが限度のようだ。

面白いのは、燃料をけちることが出来るからではない。この数値、走り方でガラガラ変わるのが面白いのだ。

そろそろと走り始めて、そろそろと走る。この数値が見る見る増えていく。

「ここは急いで追い抜かねばならぬ」

とアクセルを踏み込むと、あっという間に数値が急減する。

こうなると、運転していて数値を増やしたくなる。数値が下がると損をしたような気になる。
だから、知らず知らずのうちに、運転が極めておとなしくなるのである。
いつもこの数値を気にしながら走る。だから最近の私の運転は極めておとなしく、このままでは模範ドライバーに選ばれかねないと心配しているほどなのだ。

自分の行いで上下する数値に、自分の行いが規制される。考えてみれば、情けないことである。私は数字の奴隷か?
が、私とはそのような生き物らしい。新たな自分を見つけたことが面白くて仕方がないのである。

もっともこの「ECO PRO」モード、高速で時速が130kmを越えると解除される。私の友達になった燃費改善数値はボンヤリと見えにくくなる。この速度では、燃料どんどん使えモードになってしまうらしい。
だから、なのだ。高速道路でも130kmを越えることがほとんどなくなった。時折越えてしまうと、

「いかん。130km以下に落とそう」

とアクセルを抜く。
多分、これも安全運転の役にたつはずだ。

ひょっとしたら、他の車にも似たような機能がついているのかも知れない。その際は

「BMWにもそんな機能があるか」

程度にお読みいただければ幸いである。

そうそう、原稿の移行作業がとうとう2017年分に入り、1月まで終えた。あと20数本で作業が完了する。
完了したら、新しい原稿を書く頻度が上がるのかどうか。
あまり期待せずにお待ちいただきたい。