2020
11.05

なかなか決着がつきませんねえ。

らかす日誌

そうそう、アメリカの大統領選挙。接戦の見本のような展開ですねえ。

現在、バイデン264対トランプ214。残るはペンシルベニア(選挙人20人)、ジョージア(16人)、ノースカロライナ(15人)、ネバダ(6人)、アラスカ(3人)の5州のみ。バイデンが優勢なのはネバダで、ここで勝てば過半数の270人に到達するが、開票率はまだ75%で、2人の得票差は8000票足らず。ほかの4州はトランプが優勢だが、ノースカロライナ、ジョージアはバイデンが追い上げており、それぞれ8万票(開票率94%)、2万票強(98%)というきわどい差だ。
さて、どうなるのか?

当たるも八卦、ではあるが、私はバイデンが逃げ切るように思う。根拠はトランプの動きである。

「我々は最高裁に行く。投票が全て終わって欲しい」

とトランプがホワイトハウスで演説したのは日本時間で昨日の午後4時半。前々からそうするといっていたが、選挙結果の無効を法廷に持ち込むとの宣言である。

では、なぜこのタイミングでの宣言なのか。
開票ともなると、両陣営は各開票所に人を送り込んで一刻も早く開票結果を知ろうとする。トランプ陣営も当然やっているはずだ。
送り込まれたレポーターは開票作業をボーッと見てるだけではない。投票用紙は集計機にかけて数える前に、書かれた候補者名毎にたばねて積み上げられる。積み上げられてできた山を見れば、どちらが多いかはおおむね分かるものである。その結果を選挙対策本部に逐一報告する。選挙対策本部はこうして集まった結果を積み上げて勝つか負けるかを判断する。票読みと呼ばれる作業である。

恐らく、トランプの発言は選挙結果が自分に不利であることを知った上でのものであるはずだ。票読みの結果、

「勝てる!」

と判断したのなら、わざわざこんな発言をする必要はない。淡々と最終結果が出るのを待てばいいのである。いや、トランプのことだから、

「勝った! 勝った!」

バカ騒ぎするはずである。
ところが、先の発言である。加えて、ミシガン州では開票作業の停止を求める訴訟を起こした。ミシガン州はバイデンが勝って16人の選挙人を獲得した州である。

そればかりか、支持者を前にして

「我々は最高裁判所に行くだろう」

と語ったとの報道もある。どれもこれも、選挙で負けたことを認めた上での発言としか受け取れない。

さて、とんでもないトンチキ野郎がホワイトハウスを、多分去る。何が起きるのか?
そんな関心を持ちがら検索していたら、面白い記事があった。

トランプが負けを認めて静かにホワイトハウスを去る

というのだ。理由はただ1つ。悪役イメージを払拭するためだという。
トランプには司法妨害、選挙資金違反、詐欺など数々の疑惑がある。ホワイトハウスを去れば一気に捜査の手が伸びるはずだ。加えて、報道によれば約4億ドルの負債を抱えている。大統領在任中は債権者も遠慮をして取り立てに来なかったかもしれないが、無冠になればただの人。トランプは犯罪者として訴追される恐れがあるし、借りた金の返済を迫られもする。返済するためには収監を免れ、本業で稼がねばならない。それもこれもあって、平和的な政権移行の条件として自分の悪事を見逃せ、と取引に出るのではないか、というのである。

あの男ならやりかねない。しかし、4年間振り回された側にすれば、そんなことを許せるか? 韓国の真似をするのは本意ではなかろうが、元大統領を監獄にぶち込みたいと思う人たちが多数いるのではないか? とも思うが、さて。

そうそう、この記事はもう一つの可能性を示唆している。トランプが自分で自分を恩赦するのではないかというのだ。恩赦に関する規定では明確には禁止されていないらしい。もしそれが無理だと判断すれば、任期切れを待たずに辞任し、副大統領のペンスを大統領代行にしてペンスに恩赦を出させる。

いずれにしても、政権移行は、アメリカ民主主義の現在をあぶり出すことになるだろう。

にしても、開票結果を伝えるYahooや朝日新聞のWebサイトには、アメリカの地図があり、バイデンとトランプに塗り分けられている。これを見ると、東海岸、西海岸はバイデン、中部地帯はトランプ、とみごとに塗り分けられている。みごとに分断されたアメリカ。

これ、アメリカの終わりの始まりか?