2012
06.06

2012年6月6日 代理

らかす日誌

新・平家物語の1巻から6巻までを読み終わり、さて、7巻から12巻までを借り出そうと、図書館を訪れたのは昨日であった。
平均440ページの文庫本を2週間で6冊読み上げる。我ながらなかなかの根性である。いや、根性というより、そんなものなくてもできるのだ、その程度のことは。仕事を適当にさぼればいいだけのことである。

で、読み終えた私は図書館に駆けつけ、

「7巻から12巻を借りたい」

とお願いした。間もなく倉庫から戻ってきた係の女性は、5冊の本しか持っていなかった。

「済みません、7巻がまだ戻ってきてなくて」

それはおかしい。1~6を借りたとき、7巻はすでに借り出されており、5月23日に戻ってくるとおっしゃっていたではないか。

「ところが、23日までには読み切れなかったようで、延長されたんです」

440ページの本を、2週間で読了できないってか? あなた、図書館の本を借りる資格ある? といいたいところであるが、まあ、いってみても本が手元に来るわけではない。仕方なく、7~12を予約して、7巻が戻ってきたらすぐに知らせてもらえるという条件の下で、昨日は引き上げた。

が、である。6巻は話がどこまで進んだかというと、平家が我が世の春を謳歌する中、平治の乱で源氏の主流派を離れて平家方についた源頼政が、実は源氏の再興を志しており、以仁王(もちひとおう)を担いで打倒平氏の乱を仕組む一方で、牛若丸は五条の橋で待ち受けいた弁慶を自宅まで誘導。そこには、いまは牛若丸の世話をしている弁慶の母親がいて、弁慶は母親との再会に涙に暮れる、というところまでである。いよいよ、平氏と源氏が、正面切って戦う入り口まで来ているのである。
先が読みたくて仕方がないのは、本読みの本性である。

ということで、本日、再び図書館に行った。この図書館に、新・平家物語は文庫本とハードカバーで蔵書してある。ハードカバーは2段組で活字か小さく、しかも重たくて持ち運びに難渋するということで文庫本を選んだのであったが、こうなればそんなことはいっていられない。

「ハードカバーの方を借りますから。で、申し訳ないけど、文庫の6巻を持ってきてもらえます? どこまで読んだのか、確かめなくてはいけないので」

とチェックした上で、ハードカバーの3巻を借りてきた。

「で、7巻が戻ってきたらすぐに連絡をください。ハードカバーを返して、文庫本に借り換えますから」

こうして私は、続きを読み始めた。さて、私より先に文庫本の7巻を借りた人は、いつ返してくれるのだろう?

 

オウム真理教の菊池直子が捕まった。市民からの通報によるという。

「なるほどね。賞金が上がると、すぐに通報者が出てくるというのも、何となく世知辛いが」

と思いつつ、新聞やテレビで、菊池直子の手配写真と逮捕後の写真を眺めた。眺めながら、基本的な問いにぶつかった。

「この2枚の写真の女、まったく別人じゃん。普通の市民がいまの菊池直子を見て、どうやったら、指名手配されている菊池直子だと分かったんだろう?」

私なら、我が家の居間に菊池直子の手配写真があって、隣の家に菊池直子が住んでいて、週に2、3回、

「お早うございます」

と挨拶を交わしても、相手の女性が菊池直子だとは絶対に気がつかない。それほど顔かたちが変わっている。とは思いませんか?

なのに、菊池は捕まった。逮捕のきっかけになった通報をしたのは、どんな奴なのか? そのあたりが、いま現在不明である。

で、考えた。
通報したのは、一緒に住んでいた高橋寛人ではないのか? 2人は実質的な夫婦であった。菊池は自分がお尋ね者であることを告白して高橋の求婚を断っていたというし、高橋は何度も出頭するように説得していたともいう。そばにいる女の過去の罪を知り、その罪は償うべきだと高橋は考えていた。
この男以外に、いまの菊池が、かつてのオウムの菊池だと警察に通報出るわけがないと思うのだが。
であれば、惚れた女を警察に突き出さねばならなかった高橋君の順法精神を称揚すべきか。2000万円で実質的な妻を国家権力に売った男の卑しさを笑うべきか。それとも、惚れた女ぐらい守ってやれよと、高橋を罵倒すべきか。
私なら、とにかく守り抜いたと思うのだが。

で、オウムの残りの一人、高橋克也。手配写真と現在の顔写真が並べて報じられた。どう見ても同一人物とは思えない。
それに、だ。ここまで現在の高橋を特定していた警察が、なぜ高橋を取り逃がしてしまうのか?

世の中、スッと頭に入ってこないことが多すぎる。

 

月末に2歳の誕生日を迎える璃子に、誕生日プレゼントを贈った。「ミニ・マイクロ・キックスリー ピンク」である。

母親を通じて璃子のリクエストを知り、本日夕刻手配した。金曜日午前中に璃子の元に届く。手配が終わって、璃子に電話をした。

「璃子、キックボード送ったからね」

 「うん」

 「璃子、もうすぐお誕生日だから、お誕生日のプレゼントだよ」

 「うん」

 「あと2つ寝ると、キックボードが璃子のところに行くから、いっぱい遊んでね」

 「うん」

心なしか、3度目の「うん」は、キーが3オクターブほど上がって聞こえた。璃子も、欲しかったキックボードがやってくるというので興奮している様子である。

「それでね、璃子……」

と次を話そうとしたら、

「じゃあね、バイバイ」

と、電話は一方的に切れた。
知るべきことを知ってしまえば、あとは用なしらしい。

璃子、待ってろよ!