2015
02.24

2015年2月24日 何で?

らかす日誌

ほぼ1ヶ月ぶりに髪をカットしてきた。
理髪店に足を運び、マフラーと肩掛け鞄を預けて椅子に座る。霧吹きで頭髪に湿り気が与えられ、くしけずられる。

「あれっ、大道さん?!」

私の担当である妙齢の女性が、私の頭の後ろから素っ頓狂な声を立てた。
私の担当? うん、それに間違いはない。ただ、この店には理髪するのは彼女ひとり(ひょっとしたら、いつもいる彼女のお父さんもやるのかな?)である。
妙齢の女性? うん、彼女、元ミス桐生であるらしい。私なんぞは、できればミス桐生に選ばれたころにお知り合いになれていればと、非情な時の流れを恨むばかりである。

ま、それはどれとして。

「ここ、ここなんだけど、髪の毛、なくなってますよ」

よせばいいのに、彼女、手鏡まで取り出して、髪の毛がなくなった部分を私に見せた。目の前の大きな鏡に、私の頭頂部が映し出される。あ、ホントだ、ないわ、髪の毛が。ほぼ円形に地肌が見えている。どうしたんだ? 私の髪は何処に行った?

「何か、最近ストレスありました?」

いや、ストレスフリーを誇る私である。思い当たる節はない。それよりも、気になることがある。

「これ、いわゆる10円禿げ? それとも、恒久的な禿げ?」

「ああ、これは円形脱毛症ですよ。時が来ればまた生えてくるのは間違いないですけどね」

ああ、それでストレスの有無を聞いたのね。
それでひとまず安心したが、ストレス? うーん、覚えがないなあ。もっとも、普段ストレスフリーなだけに、ほんのちょっとしたことがストレスになっているとか? いや、それも考えにくい。
では、何が?

「ああ、多分あれだよ。君が俺の誘いに一度も乗ってくれないのがストレスなんだよ。それがもう1年以上も続いているから、蓄積ストレスが出てきたんじゃない? ねえ、お医者さんになって俺の円形脱毛症を治療する気はないの?」

と軽口を叩くほどにはショックから快復したが、でも、何故俺が円形脱毛症?

「はい、少し髪を長めに残しておいたので、こんな風に流れに逆らわずに髪を寝かしつけると、まず見えないから大丈夫ですよ」

彼女は、対処の仕方まで教えてくれた。おかげで、

「1ヶ月後、次に来るときも10円禿げが元気だったら、責任を取れよ。旦那を裏切る覚悟を固めておきなよ」

と捨て台詞を残して理髪店を出た。が、気になる。

自宅に戻って、ネットで調べてみた。ストレスフリーの私に、なぜ円形脱毛症?

ウィキペディアはやっぱり偉大だ。直ちに答えが出てきた。円形脱毛症とは

「体の防御機能であるCD8陽性Tリンパ球が毛根部分の自己抗原(おそらくメラニン関連の蛋白)にあやまって攻撃してしまういわゆる自己免疫反応によって引き起こされる自己免疫疾患である」

えっ、そうなの? 円形脱毛症って、花粉症やぜんそくと同じ免疫異常なの?

「なぜリンパ球が誤反応するのかは判っていないが、古くは精神的ストレスによって発症すると言われていた病気であることなどから体内でなんらかの影響を受けている可能性が高い。しかし、ストレスを感じるとは考えにくい生まれたばかりの幼児などにも発症していることから、現在では精神的ストレスは誘因の1つではあっても主原因は体内のアレルギーが合併するなどによって自己免疫異常が引き起こされているのではないかと考えられるようになってきている。また肉体的ストレス、ウイルス感染なども誘因の一つである」

さ、そうなんだ。とすると、俺に花粉症が出始めたのは、確か3、4年前。それと同じ事が、今度は頭髪に出ているということか。
でも、花粉症は「アレグラ」を服用すれば症状が抑えられる。私なんぞ、一昨年に処方してもらったアレグラが、その後症状があまり出ないので机の引き出しに残っているが、ということは、この残っているアレグラを呑めば髪が生えてくるって?

ウィキペディアを読み進めたが、どうやらそう簡単ではないらしい。健保では別の薬が適用薬として認められているそうだが、

「効果の機序は各種報告されているが、はっきりしていないこともおおい。本邦独自の治療法であり、海外ではほとんど採用されていない」

とある。
そうか、とすれば放っておくしかないか。
とりあえず、アレグラはまた引き出しにしまっておこう。


地元の上毛新聞によると、高崎市は太陽光発電施設の建設規制に乗り出す。景観の保護のためだそうだ。
高崎市、偉い!
福島原発事故直後のパニックの中で、原発に頼らないエネルギー源として実力以上に評価され、おまけに法外な買い取り価格が決められてことで雨後の竹の子のごとく増えた太陽光発電。一攫千金を夢見て有象無象が新規事業者として参入し、空き地と見ればあのピカピカ光るパネルをこれでもかと並べてしまった。

おいおい、お前ら、俺の電力料金に上乗せされる金を持っていって金持ちになろうってか! と気になって仕方がなかった。
しかも、である。パネルの発電効率は年々劣化する。劣化が進んで採算が取れなくなったら、事業者として名乗りを上げた連中は、きっちり撤去費用を支払って撤去するのだろうか? それとも新しいパネルに入れ替えるのだろうか?
いや、そのころには、太陽光で発電した電力の買い上げ価格もずいぶん下がっているはずだから、パネルの入れ替えはおろか、撤去さえせずにドロンする事業者が続出するのではないか? とすれば、我々が納めた税金であれを撤去するの?
と心配もしていた。

高崎市は偉い。他の自治体も、高崎市の爪の垢を煎じて飲んだらどうだ?

それを報じた上毛新聞も偉い。
他の新聞、テレビはどうしてるんだ?