2018
03.09

2018年3月9日 恐ろしい時代

らかす日誌

いやな時代になったものだ。

「何がいやか?」

ですって?
極東情勢ですよ。というか、極東情勢の鍵を握るのが、あんなうすらトンカチのような3人であることですよ。おお怖!

北朝鮮の金正恩があのトランプと会うのだそうだ。仲介したのは韓国、文在寅政権である。こんな3人に何で我々の安全がゆだねられなければならないのだ?

北朝鮮といえば有名な嘘つき国家、ならず者国家である。金正恩は若い頃、たしかスイスの寄宿舎がある学校に通っていたから、ヤツのじいさんやオヤジと違って、少しは常識をわきまえる人間ではないかと私は期待したこともある。が、その正体はヤツが政権を握って以降の北朝鮮の動きを見れば、じいさんやオヤジと同じ、いやそれを上回る虚(うつ)けにすぎない。

金正恩は国と国との約束の意味すら分からない変なインテリである。いや、インテリらしいから、分かっていても分からない振りをしているのかも知れない。そうであれば、人間として全く信用できない男ということになる。

トランプ。この人に多言は要しまい。病んだアメリカを体現する病んだ金持ちである。

彼らがそれぞれの分際にとどまっていればこれほど恐れることはない。他国の首脳なのである。彼らが何をしようと、我々日本人に直接の影響は、北朝鮮のミサイルを除けば、あまりない。ところが、そこに北朝鮮の核が絡み、が日本の近くや日本上空にミサイルを飛ばすものだから、今回の事態がもたらされた。はた迷惑もいいところだ。

3人に共通するのは、むき出しのエゴである。まあ、個人も国家もそれなりのエゴを持っていることは理解する。だが普通、エゴは出来るだけオブラートでくるみ、立派にきこえる形容詞で装飾して、周りに気がつかれることのないよう気を使いながら出すものである。

だが、3人のエゴは、あまりにもあからさまだ。3人の知性の量がエゴを隠せるほどに多くはないといえばそれまでだが。

金正恩。こいつにあるのは金一家が安住できる体制の維持、というより、自分の命を長らえたいというエゴである。北朝鮮には国民は200万人から300万人しかおらず、ほかはどうでもいい人間だ、という言い方をする人もいる。この人、その200万人、300万人のことすら考えてはいない。頭にあるのは、自分が失脚しないこと、その一事である。だから、韓国に、アメリカに、日本に居丈高な姿勢をとり続ける。北朝鮮とはそのような姿勢で国を運営してきたのであり、トップとして弱腰を見せればクーデターで地位を追われ、悪くすれば殺されかねないと恐れているのだろう。だから、兄を殺し、政府高官を処刑した。反逆の目になりそうな人物を抹殺し、クーデターを未然に防ぎたいとの焦りにすぎないと考えると、ストンと心に落ちる。
今回のアメリカへの擦り寄りは、経済制裁の効果だろう。北朝鮮の経済は破綻寸前にある。このままでは破れかぶれの暴動が起きて政権維持が難しくなる恐れがある。これを打開するには経済制裁を解かせねばならない。それにはアメリカだ。なーに、トランプぐらい転がしてやるさ。いや、転がさねば俺の首が危ないもんな。
そんな独り言がきこえそうな気がする。

このところの韓国は、極端なポピュリズムの国と見える。この国は、政治とは国民の人気取りを持って旨とする、内外に宣言しているような国だ。文在寅がピョンチャンオリンピックを

「おい、そこまでやるかよ」

といいたくなるほど国内政治に利用したのは、その何よりの証拠ではないか。加えて、それに「南北統一」という民族の悲願を絡ませた。南北統一チームを作ってみたり、色気(決して「美貌」ではない)を振りまくしか脳のない娘どもを大量に入国させ、コンサートまで開かせてみたり。
いや、北と一緒になりたいという願いが分からないわけではない。だがこの人、いまの北朝鮮と一緒になれると本当に考えているのか? かつての徳川将軍家以上の権力を持つ一家がすべてを支配している北朝鮮と、どうやったら一緒になれる? 北朝鮮国民ではないという2000万人前後の北朝鮮在住者となら一緒になることも出来よう。しかし、北朝鮮国民であると胸を張る200万、300万の連中と一緒に国を造る具体的なプランを持ち合わせているのか? そんなプラン、ありえないだろ!
そう考えれば、南北雪解けを演出する彼の政治手法は、政権への国民の支持を高めようというショーにしか見えてこない。

「いいんだよ、政権支持率さえ高まれば。ダメになったらなったで、いくらでも説明の仕方はあるさ」

ってなものではないか?
大変に無責任な政権運営に見えて仕方がないのである。

トランプ。アメリカ・ファーストといいながら、実はトランプ・ファーストの人である。
でも、なんであれほど小馬鹿にしていたでぶっちょと会うのかね?
唯一考え得るのは、人気取りである。それでなくても、次々と閣僚が替わったり、側近に操作の手が伸びたり、与党共和党から反逆者が出たり、よたよたの政権である。秋の選挙で共和党が負けるようなことになれば、トランプ降ろしは一段と強まるだろう。トランプにとっては、政権の支持率だけが頼りなのだ。その支持率も最近はパッとしない。

「えーい、ここであのでぶっちょに会えば、米国大統領としては史上初である。加えて、北朝鮮から核を取り上げるようなことが出来れば僕ちゃんの人気は沸騰するよね」

その程度のなのではないか?
が、待たれよ、トランプさん。北朝鮮は名うての嘘つきである。約束したことを何度も平気で破って恥じない国である。苦い汁をの増された米国大統領だっているのだ。あなたと会ったでぶっちょが

「核を廃棄します」

といったところで、ヤツが約束を守るかどうかは神のみぞ知る、いや、おそらく四の五の言って守らないだろう、ぐらいのことはわきまえていらっしゃるのかな? 

「核を取り上げてやった!」

と国民に自慢しあとで、

「北朝鮮、やはり核は放棄せず」

なんていうことになったら、やっぱりトランプはでぶっちょの嘘も見抜けないアホだった、ということになってしまうがよろしいか?

元元がアメリカ・ファースト、いや、トランプ・ファーストの人である。アメリカさえよければ、自分さえよければ何でもやっちゃう人である。彼に視野には韓国もないし、日本もない。拉致被害者問題なんて忘却の彼方であるはずだ。
だから、とんでもない米朝合意をやりかねない。怖い。

安倍首相が急遽トランプに会うのだそうだ。安倍ちゃん、あの1男をうまく操ることができるかな……。

アア、トンデモナイジダイニナリマシタネエ。