2018
10.25

2018年10月25日 えびす講

らかす日誌

常連の読者でいてくださる方々には誠に申し訳ない日々が続いた。私としては珍しいことに、先頃から何だか身辺が慌ただしく、なかなか日誌を書くいとまがなかった。

「どれ、『らかす』でも見てみるか」

とアクセスし、

「なあんだ、まだ更新されてないじゃないか」

とそのまま通り過ぎてしまわれる方が増えてしまった。中には、来たついでとばかりに「音らかす」や「シネマらかす」で遊んでいいただくありがたい方々もいらっしゃるが、ホームページというのは更新が命。新しいコンテンツがなければやがて見放されてしまうもの。分かっていながら、新しい原稿が書けなかったのだから、ひたすら謝罪するしかない。

身辺が慌ただしいのは桐生えびす講のためである。桐生のえびす講は11月19日、20日と決まっているのでまだ少し先なのだが、その準備で慌ただしいのである。
一度書いたような気もするが、桐生えびす講は2年前から、「桐生えびす便り」というパンフレットを作っている。参拝客に配り、読んでいただいて今以上にえびす講に親しんでもらおうとの狙いで、O氏が発案した。

「だから、書いて」

といわれたのが私である。すっかり腐れ縁に近いものになってしまった彼から頼まれればいやとはいえぬ。よって、毎年私が原稿を書くことになった。
過去2年と違い、今年はパンフレットを2種類作るというのがO氏のアイデアである。一つは事前に地元紙に挟み込み、各家庭に配る。それだけでなく、えびす講当日は駅頭や参道の入り口に置いて市外からの参拝客にも手にとってもらう。
もう一つは例年通り、当日参拝客に配布する。

それはいいのだが、だから、原稿料がざっと2倍になった。その2倍を、私がひとりで書くのである。

だから、8月ぐらいから

「ねえ、今年は何を書こうか」

とことあるたびに編集会議の開催を彼に求めてきた。

「うん、考えておくよ」

というのが定番の返答で、ために取材を始めることが出来ず、ズルズルと日にちばかりがたち、最終案がまとまったのがやっと先週のことである。だから、それから大わらわで取材し、パソコンのキーボードを叩く。そんな作業を続けていると、日誌に何を書こうかと考える時間などない。気がつくと入浴の時間になり、夕食を済ませて映画鑑賞の時間となる。まるで日誌に手をつけることが出来なかった。

まあ、原稿とは締め切りがないと出来上がらない、というのが世の習いである。編集会議も似たようなもので、尻に火がつきそうにならねば開かれない。O10月にまでもずれ込んだのは、そのためであろう。
が、仕掛かりがどれほど遅くても、原稿は締め切りまでには仕上げねばならない。どんなに立派な原稿も、締め切りを過ぎてしまえば活字にはならないのである。だから、大わらわにならざるを得ない。

そんな取材も、やっと明日で終わる。原稿も8割方は書き終えた。山の頂上が見え始めて人心地つき、

「あ、ずいぶん日誌の更新をサボっているなあ」

と心に浮かんだのが今日だったわけだ。

さて、これだけ事情説明をしてしまうと、ほかに書くこともない。どうにも最近はニュースが少ない。ニュースが少ないのは世が平安であるということでいいことなのだが、だが、この日誌の一部は世の動きに反応することで成り立っているのでネタ不足ということになる。

女性差別が横行していた医学部入試にしても、確かに性別で扱いを違えるのはフェアではない。怒る人がたくさんいても当たり前である。
そこまでは分かるのだが、医療の現場で女性の医師が使いにくいから、という説明にも

「そういうこともあるのだな」

と頷きたくなってしまう。男女均等社会のなかで指摘するのが困難になっている「男と女の違い」が背景にあり、大学が

「だから、出来ることなら女性医師より男性医師を作りたい」

と考えたのだとすれば、男性医師と同じように女性医師にも働いてもらうには何が必要なのかが問われねばならないはずなのに、いま取りざたされるのは入試における不当な差別という視点だけである。だから、あまり茶々を入れたくならない。

世界中の株式相場を不安定にしている米中の貿易摩擦、あるいは貿易戦争も、著作権は言うに及ばず、各国の様々なノウハウを、後ろ指を指されるような手法で手に入れて輸出品を作ることがある中国を見れば

「ああ、そりゃあ怒られても仕方がないわなあ」

と、株式投資には無縁の私は眺めているだけで、しかし、これはかなり思考力が劣るトランプでなければ出来ないことで、常識的なものの考え方をする大統領だったら、株価を始めとする他への影響に配慮して手をつけなかっただろうな、と考える。いい面を取れば、馬鹿とはさみは使いよう、ということになるのだろうが、悪い面を見れば、危なっかしくて見てられない、という程度の感想を持つだけである。
でも、どうなるんだろうね?

あ、そうそう、一つだけ楽しみにしていることがある。アメリカの中間選挙である。下院では共和党の不利が伝えられているので

「やっとトランプがお飾りに過ぎない大統領=レイムダックになってくれるのではないか」

と心待ちにしているのである。トランプがお飾りなれば、世界の不安要因の一つが取り除かれるではないか。

というあたりが近況である。
えびす講の仕事は今週で終わるはずである。身体が空けば、出来る限り日誌の更新をしたいと思う。余り期待をせずにお待ちいただきたい。