2025
11.18

パソコンを更新するということ

らかす日誌

iMacの内部メモリは1テラ近く使っていた。OSが使う領域はそれほど多くない。多いのは私が作ったファイル群である。Macは「デスクトップ」「書類」の2つのフォルダでファイルを整理しようとする。そのデスクトップが約60GB、書類が約47GBに膨れ上がっていた。これだけで100GBを超す。加えて写真を保管しておく「ピクチャ」は140GB以上ある。この3つだけでMac Miniの内部メモリはパンクに近づく。さてどうしたらよかろう?

チャットGTPにお伺いを立てた。すると、外部のHDDやSSDにOSをインストールし、その外部メモリを起動ディスクにすれば、Mac MiniそのHDDやSSDを内部メモリとして認識するのだという。それはいい!
そこで、長男の勧めで買った2テラのSSDを起動ディスクにしようと思い立った。これならiMacからすべてを移し替ええることができる。

自力でパソコンの切り替えを進めていたら、その方式をとったはずである。ところが、最近の私はパソコンの操作に自信がない。そこでまず、長男に相談してみた。

「そんなことしなくたって、自分で作ったファイルの保管場所を外付けのHDDやSSDにすればいいじゃないか」

という。それはそうである。デスクトップと書類のフォルダをSSDに作り、そこにすべてを保管すればいい。だが、SSDにつくったフォルダはファインダーの左バーに姿を見せてくれない。いちいちSSDを開かねば見えないのだ。面倒である。
そこまでは、やっぱりチャットGTPのご託宣通り、SSDを起動ディスクにしようと考えていた。

Macには移行アシスタントというアプリがある。これを使えば古いMacから、これからも使おうというMacにすべてのファイルやフォルダを移すことができる。だが、ここは慎重にやったほうがいい。私はアップルケアに電話をした。

「問題はiMacとMac MIniの内部メモリ容量が全く違うことです。8分の1しかないので、外付けのSSDにOSをインストールし、それを起動ディスクにしようと思っているのですが」

私はそう問いかけた。私の計画に従って彼はアドバイスしてくれるはずだった。ところが。

「なるほど、そうですよねえ、iMacは24インチまでしか作らなくなったし、Mac Miniは内部メモリが貧弱。悩ませてしまって申し訳ありません。でも、外部のSSDを起動ディスクにするのは経験上お勧めできません。トラブルが発生する恐れがありますので」

えっ、トラブルの恐れがある?

「だって、チャットGTPに教えてもらったんだけど」

「チャットGTPが常に正しいとは限らないのです。私もよく使っていますが。とにかく、外部のSSDを起動ディスクにするのはお止めになったほうがいいと思います」

アップルケアのアシスタントは、Macの専門家である。彼がそういうのなら、やはりリスクはあるのだろう。

「わかりました。やめます。でも、内部メモリが8分の1しかないから、全部を移行するわけにはいきません。選択的に移行することにならざるを得ないので、そのあたりをよろしくお願いします」

こうして移行作業が始まった。私は事前の準備として、外部SSDに「デスクトップ」「書類」「ピクチャ」というフォルダを作り、iMacからコピーした中身をペーストしておいた。これで準備は整ったはずである。
アシスタントのアドバイスに従い、必要と思われるものをiMacからMac Miniに移した。これでMac MiniがiMacに変わって働いてくれるはずだった。ところが…。
動かないアプリが続出した。

・WoedやExcelが立ち上がらない。
・データベースソフトのTap Formsも同様である。
・Macの標準アプリであるメールにはiMacで受信、送信したメールが1つもない。空っぽである。
・ブラウザのChromeはブックマークをすべて忘れている。
・ブルーレイなどのリッピングに使っているleawoも試用版に戻っている。
・キヤノンのプリンターの添付ソフトであるEasy PhotoPrintでディスクラベルの印刷ができない。

……、これでは、せっかくMacが新しくなったのに何もできないではないか!

ぼう然とした。おそらく、選択的にファイルを移行したため、必要なファイルを取り残してしまったらしいのだ。
私はぼう然とせざるを得なかった。いつになったらMac Miniで作業ができるんだ?!