2014
02.03

2014年2月3日 というわけで

らかす日誌

本日より独身生活となった。

この日を首を長くして待ち望んでいた女性たちよ、さあ、貴女の時代だ!

と欣喜雀躍するほどの独身生活でもない。
我が妻女殿が本日、前橋日赤に入院したがための独身生活である。最初の2行を読んで踊りだそうとした女性たちよ、許されよ。

妻女殿が長い間、膠原病と親密なお付き合いを続けていらっしゃることは、すでに書いた。
改めて書くと、膠原病とは免疫疾患のひとつで、体外から侵入する異物を攻撃し、体を守るはずの免疫システムのプログラムが狂ってしまった病気である。本来自分の体を守るためにある免疫システムが、どういうことか、自分の体を侵入した異物であると誤認、攻撃するのである。
まだ原因は不明だ。ということは治療法もない。免疫システムが自分の体を攻撃しすぎないよう免疫抑制剤を服用して免疫の働きを抑え、長いお付き合いをお願いするばかりである。

今回は、日常服用する量では抑えきれなかった免疫システムが、どうやら攻撃を腎臓に集中した。ために、腎臓の機能が本来の8割程度に落ち、様々な症状が出始めた。

「これ、いまのうちに治療しましょう」

というのが、医者の見立てである。
治療には、やはり免疫抑制剤を使う。日常的に服用している量では足りなかったから腎臓が攻撃を受けているのだから、こうなればさらに免疫システムを叩き、弱らせねばならない。このため、大量の免疫抑制剤を服用する。つまり、薬を飲むだけの入院である。

「たったそれだけのために入院?」

まっとうな疑問である。お答えしよう。
免疫システムとは、体を外敵から守るためのものである。それが、誤認に基づいて己の腎臓を攻撃しているので免疫システムを弱め、腎臓を助けるのだが、では、このようなときに本当の外敵が体内に侵入してきたらどうなるか?
防衛隊として前線に出動、外敵と刃を交えねばならぬ免疫システムは、だが主の都合で人数が減らされ、食事が減らされ、その上大量の酒を飲まされてへべれけになっている。

「緊急出動!」

の指令が出ても、足腰が立ち、敵と戦える員数は皆無に等しい。非武装中立が成立する世の中なら問題はないのだが、現実の社会はなかなかそうはいかない。国同士の問題なら外交での解決も図れるが、体内に侵入するウイルス、細菌などは外務省を持たない。いや、言語すら所有しておらず、話し合いでことを治めるのは不可能なのだ。
ために、腎臓を救うための薬のために、外敵にはからきし弱くなる。感染症の危険が高まるのである。あちらをたてればこちらが立たず、とはこのような状態をいう。

通院治療して、自宅でじっとしておればいいではないか、とも考え得る。もちろん、窓を閉め切り、一歩も外に出ず、閉じこもった暮らしは不可能ではない。
だが、訪れる人があるかもしれない。いやそれよりも、日々の暮らしには、食料を始め様々なものを消費せねばならない。本人は閉じこもった暮らしを続けても、誰かが外に出て買い物をしなければならない。外に出た人間は、どこかでウイルス、細菌などを他人からもらう危険がある。もらった当人は発症しなくても、ウイルスや細菌の運び屋にはなってしまう。つまり我が家では、私がその運び屋になる。
だから、感染の恐れは大きいのである。

病院にだって他人は訪れる。だから感染の恐れがゼロではないが、そこは病院だ。感染が確認されれば直ちに対策を打てる。自宅では、対策は後手後手に回りかねない。

というわけである。


「そう、奥さん、明日から入院するの。あんた、背中に羽が生えてムズムズしてんじゃないの?」

といったのは、昨日、とある会合でご一緒したおばちゃんである。なるほど、そのように考えるのが社会の常識か。おばちゃん、旦那で苦労した?

「ああ、ムズムズどころか、もう背中のあたりで羽がバタバタいっているよ」

とお返事した。

「やっぱりね、男ってそうなんだよね、フン!」

おばちゃん、全女性を代表して怒ったのか、それとも、己の主張に同意を得て得意になったのか。
が、それだけで済ます私ではない。

「背中で羽がバタバタ音を立ててるんだけど、飛んでいきたい先がないんだよなあ。何処にいるんだろうね、俺のビーナス。ここにはいそうにないし」

妻女殿の加療は多分4週間。従って退院は3月の始めになる見通しだ。

というわけで、自炊生活の再開である。
が、今日は病院から戻った時間が遅く、夕食づくりは諦めてスーパーの弁当、サラダ、野菜の煮物で御茶を濁した。
ついでに、ステーキ肉、鳥のもも肉、豚のバラ肉、ホウレンソウ、春菊、辛み大根などの野菜類、緊急事のためのインスタントラーメン、焼きそばなどを仕入れてきた。明日から、自炊生活が始まる。

朝食はネギと豆腐のみそ汁、アジの干物、キャベツの油炒め、それに大根おろし、ノリ、程度かなあ。


東京都知事選の事前調査が出そろった。どうやら舛添の圧勝で、あの細川の殿様は2番手、ないしは3番手につけているらしい。東京都民は、殿の世迷いごとには冷たい視線を向けている。石原、猪瀬と変なのばかり選んできた東京都民に良識が戻ったか?
それは分からぬが、しかし、いずれにしても結構なことである。
でも、舛添ねえ……。かつて、あの片山さつきを嫁にした男だぜ。その感性に多大な疑問があるのに加え、本業はタレント学者。まともな政治が出来るのかねえ?


あの橋下が大阪市長を辞任した。大阪都構想が議会の抵抗で前に進まず、

「だったら、市民の意向を聞こうじゃないか」

ということらしい。
自分の思い込みを押し通すため、回りに膨大な迷惑をかけても顧みない。選挙にかかる膨大な税金は

「俺の金じゃないからどうでもいい」

とでもいうつもりか。
流石に今回は大阪市民もだまされないだろう、と思っていたら、自民・公明は

「こんなことで選挙をするのは筋が通らない」

と候補者を立てないのだという。
ん? 自公の物言いは大変に格好いいが、すると、橋下は誰と闘うことになるのかな? ろくな対立候補が出ず、橋下がぶっちぎりで当選するようなことになったら、こりゃまた変なことになるぞ。

変なことになる結果は、橋下にだまされて票を投じた大阪市民が受けるのだから、私には関係ないとはいえ……。
あいつの暴走、誰か、早く止めろよ!