2019
10.21

うっかりして気がつかなかったが、いまは4連休の最中だそうだ。

らかす日誌

昨日、息子に聞かされた。明日がなんだか難しい名前の休日になったため、今日を休めば4連休。東京の大手企業に勤めるサラリーマンたちの多くが4連休にしているそうだ。我が息子は今日、会社を休んでいるのだろうか? それは聞き忘れた。

そんな会話を息子と交わしたのも、土曜から日曜にかけて息子の家に行っていたためである。

「あかりの運動会みたいなものがあるんだ。お父さん来てくれたらあかりが喜ぶんじゃないかと思って」

という電話を3週間ほど前にもらった。我が妻女殿が体調のゆえもあって人の来訪を喜ばず、ために私とあかりの仲がないがしろになることを懸念しての提案であったろう。喜んで引き受けた。午前9時半頃に始まるとの話だった。
当初、18日金曜日は泊まりがけで宇都宮まで出かけるはずだった。

「わかった。じゃあ宇都宮を土曜日の7時半頃出て行くわ」

そのはずだったが、台風19号の影響で宇都宮の日程が変更になり、加えてあかりの「運動会らしきもの」も午後の開催となって、土曜日朝から出かけた。

あかりが通うのは川崎市の保育園である。息子の家から歩いて10分ほど。行ってみて驚いた。なにしろ、広い! 広い庭園のある2階建てで、その2回には、ちょっとした幼稚園なら運動会が出来そうな程広い部屋に加え、その3分の1程の広さを持つ部屋が2つある。そこを出ると、庭をぐるりと廻ることが出来る回廊。ほぼ新築、内装はほとんど木で、

「金がかかってるなあ」

というものである。川崎市は金持ち自治体か?

園児は約200人、世話をする職員は約40人とか。1職員で5人前後の子供の面倒を見る計算だ。

私にいわせれば、園長さんはやや変わり者らしい。子供を訓練するのが嫌いなのだ。だから、練習をしなけらばならない運動会はなし。この日も

ファミリーで楽しむ

がテーマで、2階の広間にはテープで描かれたサークルがあり、部屋の隅に段ボール箱で出来た車や新幹線がある。サークルの途中にはトンネルが設けられ、子供たちは車や新幹線の中に入って(段ボール箱の底はない)抱え上げ、テープの線路に沿ってただただ走る。

加えて、滑り台が1つ、平均台が1つ。それに、マットの上にこれもトンネルらしきものがしつらえられている。それだけである。

小部屋の1つは「新聞紙で遊ぶ部屋」。新聞紙が細かく破られており、部屋中にばらまかれている。この部屋に入ると

わーっ!

といいながら職員が新聞紙の破片を放り上げる。紙吹雪の歓迎である。

2つのビニールプールにも新聞紙の破片がたくさん入っており、これは

「勝手に遊びなさい」

らしい。
部屋の片隅にはテーブルに紙コップなどが置かれ、新聞紙で作った球を投げて落とす。
天上からは風船が下がり、これも新聞紙を巻いて作った棒でこの風船を叩く。それだけだ。

ちなみに、新聞紙は朝日新聞であった。
なるほど。何となく頷ける話ではある。

もう一つの部屋は読み聞かせや人形劇の部屋だった。

装置はこれだけ。あとは

勝手に遊びなはれ

思うにこの園長先生、1つの教育理論を信奉していらっしゃるらしい。子供は自然に伸びたほうがいい。大人は子供を矯正してはならない。子供にはそれぞれの天性があり、個性がある。大人の役割は、一人一人違う天性、個性を損なわないことだけだ。そんな風な理論である。どこかで読んだような気もするが、確かではない。
だから、子供に規律を教え込む運動会の練習などはせず、ただただ子供が伸び伸びと走り回る環境を整えるのが大人の役割、ということなのだろう。

確かに、北朝鮮のマスゲームやナチス式の行進を見ると、統一された行動に美しさを感じながらも、一方で背筋に寒気が走るのも確かだ。
しかし、規律から完全に解放された個人というのは如何なものか。子供とは野獣であり、しつけなければ人間にはならないのであると考える私からすると、この園長さんの考えは私とは対極とまではいかなくても、かなり違うところにある。
まあ、躾は家庭ですればいいのではあるが。

その中であかりは、見た限りでは一番活発な子であった。何が楽しいのか不明だが、段ボールの救急車、マイカー、新幹線に次々と乗り換え、線路の上を走る、走る……。飽きると平均台。端から端まで、落ちることもなく立派に渡りきる。滑り台で滑り、やがて仲の良い友達を見つけると外に出て回廊を走る、走る……。
とてもではないがついては行けない。あかりの跡を追いかけていたら心臓麻痺で死にそうである。

と遊ぶこと、約2時間。わたしはもっぱらカメラマンであった。

帰りにトイザらス。何も買わず。

夜は歩いて居酒屋。土曜日というのに満員の盛況である。今年初めてのサンマを食った。

翌20日は二子玉へ。あかりに何か買ってやろうとボーネルンドに行くが、焦点が定まらず何も買わない。本も買わない。その挙げ句、向かったのはモンベルショップ。あかりのダウンジャケットが小さくなったので買い換えるのだとか。
そういえば私のダウンジャケットも買い換えの時期だった。私の分1着、あかりの分1着を私のカードでお買い上げ。
終えて、近くの蕎麦屋で蕎麦。まずくはないがうまいともいえない中途半端な味。ちなみに、ざるそば1枚800円也。

ということで、昨日午後3時半頃戻ってきた。

戻ってみて、痛い、が。2歳7ヶ月のあかりは、体重は3歳半の平均だそうだ。実に重い。それを抱いて歩いたりしたから……。

子供の機嫌を取って遊ぶのは楽しいが、実に疲れることでもあることを実感した週末であった。