2021
05.26

朝日新聞が東京オリンピック中止に舵を切りましたね。

らかす日誌

朝日新聞が、東京オリンピックは中止すべきだという社説を、今日掲げた。元社員、記者である私の主張に遅れること数か月だが、書かないより書いたほうが良い。誠にもって結構なことである。

そういえば、確か昨日の朝刊で、ソフトバンクの孫正義氏、楽天の三木谷氏が、SNSでオリンピックの中止を主張しているという記事があった。また、アメリカ政府が、

「アメリカ国民たるもの、日本に渡航してはならない」

という行政措置を執ったという報道もここ数日前のことである。
というニュースの流れを追っていくと、

「アメリカ政府は日本に行くなと言うし、孫、三木谷両氏はオリンピック中止を言い始めた。そろそろ新聞でも書いていいかしら?」

怖々書いたような気もする。
そもそも、何事かを主張するなら1番がいい。周りの様子を見ながら、2番手3番手に姿を現して

「俺、主張したもんね」

というのは、さて、皆様はどのように評価されるだろう?

振り返ってみれば、ここ1ヶ月余り、メデイアはオリンピック中止を訴えるための地ならしをしてきたように見える。選手の健康など歯牙にもかけずに金儲けに血道を上げるIOCの問題を採り上げた論は目にしなかったが、コロナとの関係で世論調査を実施して「中止せよ」との世論が高まっていることを報じ、オリンピック前の合宿を引き受けるはずだった自治体が

「コロナ対応で、合宿を引き受ける自信がない」

と返上する動きを伝え、保守系で知られるフジテレビまでが

「民間のコンサートや大規模イベントには中止を求めておきながら、オリンピックだけやるというのは筋が通らない」

というように(言ったのは、確か橋下氏)なってきていた。いわば、露払いを続けてきたわけで、朝日新聞の中止論が大手メディアで初めてだとしたら(ほかの新聞を見ないので、私には解らない)、これからマスメディアはこぞってオリンピック中止を訴えるようになるのだろう。みんなで同じ主張をするのは、メディアの得意技である。

ということで、

「何が何でもやる!」

という姿勢を崩さない我らがガースー首相は、いまや真綿で首を絞められているような不快感を感じているはずだ。コロナ対応で、打つ手打つ手がすべて外れる。衆議院選挙が迫り、

「ガースーが頭では選挙を戦えない」

という自民党議員が増える。このまま行けば、

「選挙前に首相をすげ替えなきゃ」

という動きが表に出るのも遠い先ではない。
だから、一発逆転をオリンピック開催に賭ける。ほら、みんなコロナで困ったけど、オリンピックは私の指揮の下、みごとに開催出来たでしょ? という実績で支持率アップを狙う。
えっ、オリンピックが新たなコロナ感染源になったら? そんなことはどうでもいい。開けなきゃ、首相の座に居続けられないのだ。オリンピックでコロナ感染が出たら首相を辞めなきゃならないだろうが、辞めなきゃならないことに変わりはない。でも、大会がうまく行けば居座れる。開催した方が首相であり続ける可能性があるのだから、ここは猪突猛進、突き進むしかないだろ?!

万が一、である。東京オリンピックが開催され、恐れられているようにコロナ感染が出たら、開催を強行したバッハを始めとしたIOCの幹部連中、ガースー首相、橋本聖子担当大臣、小池東京都知事ら、大会関係者は歴史にどう記載されるのかな?

「これら大会関係者のほとんどが常識をわきまえない阿呆だったため全体として正常な判断ができず、非常識にも開催を強行した結果、コロナ感染が拡大した」

いや、この中でフリーハンドを持っているのは小池のおばさんだ。ガースーが開催に固執するなか、ひょっとしたら開催都市の首長として

「オリンピック、パラリンピックを返上します」

とやっちゃうのではないか。いや、彼女が常識の持ち主だと思うからではない。彼女にとってオリンピック、パラリンピックとは自分を飾り立てる道具立ての一つでしかなく、いま返上することが自分の評価を高め、選挙に勝つ道であると確信すれば、その程度の事は平気でやっちゃうおばさんだと思うからである。

さて、どちらに転ぶのか。開催まであと2ヶ月を切ったというのに、コロナの緊急事態宣言を6月下旬まで延長する動きも出ている。
どう考えても、開催は不可能だと思うのだが……。