2023
03.14

ホモ・サピエンスの年齢が50万年増えたそうです。

らかす日誌

私の頭に残っている人類の歴史についての記憶では、我々ホモ・サピエンスは20万年〜30万年の歴史があった。つまり、そのあたりの時代に、ネアンデルタール人とホモ・サピエンスが枝分かれし、ネアンデルタール人はやがて消滅、ホモ・サピエンスがいま、我が世の春を謳歌している、というのが、我々世代の常識だった。

ところが、この枝分かれの年代が最大50万年ほど遡り、55万年〜77万年前になったのだそうだ。「もっと言ってはいけない」(橘玲著、新潮新書)で知った。
ゲノム解析の技術が進んだ結果、ホモサピエンスの年齢が50万年ほど増えたわけだ。

驚きである。私が世界史で人類の起源を学んだのはわずか半世紀ほど前のことだ。あの時は確か、すべての人類の母といわれるアフリカのイブ(ミトコンドリアのDNA解析で判明した)はまだ教科書に登場していなかった。しばらくして、彼女が15、6万年前にアフリカにいていま生きている我々すべての祖先ということになったが、最新の科学はそのイブのさらに前に50万年もの時間をつくったわけだ。
たった半世紀ほどの間に人類史が次々と塗り替えられる。ということは、あと10年、20年したらまた新しい学説が十分な証拠を伴って現れるかも知れない。

それに、である。我々ホモ・サピエンスのご先祖がネアンデルタール人と子作りをしていた(学術用語では「交雑」というらしい)ことは、広く知られてきたことである。私たちの遺伝子・遺伝情報(ゲノム)にネアンデルタール人に由来するものがあることが分かったからである。
その程度の知識はあったが、ネアンデルタール人の特徴といえば頭蓋骨は前後に長く、眉の部分の骨、後頭部が張り出していて彫りの深い顔をしていると記憶する。これは我らホモ・サピエンスの中では欧米系、つまり白人の特徴にかなり近い。ということは、ネアンデルタール人に由来するゲノムは、白人に多いのだろうと思っていた。

ところが、現代人のゲノムを解析すると、ネアンデルタール人由来のゲノムの比率は東アジア系の我々の方が、ヨーロッパ系の人々より若干高いのだそうだ。面白いものである。

こんなことが色々と解明されてくる。なかなかダイナミックな時代に私たちは生きている。面白い。

そろそろ青嵩が底をつきそうなので、新たに1袋購入した。これが2度目になる漢方薬局で、ふと店主に聞きたくなったことがある。私は抗がん作用を求めて青嵩を煎じた汁を服用しているが、青嵩に抗がん作用があるということはまだ広く走られていない。では、青嵩とはいったいどんな症状に効果をあわわす漢方薬として生産・販売されているのだろう?

「陰虚の骨蒸潮熱(こつしょちょうねつ)に処方されてきました」

と店主はおっしゃった。
何、骨蒸潮熱? いったい何のこと?

と聞き足したのは当然である。聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥、というのだから。
なんでも、日射病、いまでは熱中症のような症状だという。ほう、中国4000年の歴史には、熱中症もあったのか。

熱中症といえば、毎年数多くの死者を出している。しかし、いまの医者は熱中症にこの漢方薬を処方することはない。全身を冷やし、症状が重ければ水分や電解質(ナトリウムやカリウムなど)を補給する、とネットには書いてある。
であれば、青嵩の需要はあまりないのでは?

「そうなんです。だから、置いている漢方薬局はあまりないかも知れません」

ほう、そういう漢方薬か。ということは、日本でまだ需要があるということは、青嵩に抗がん効果があると知る人がそこそこいるのか? それとも、別に使い道があるのだろうか?

で、原料のクソニンジンは国産ですか?

「いいえ。そんな状態ですから、全部中国からの輸入です。中国ではかなり使われているらしいんですよね」

中国製品に関する信頼度は極めて低い。なかでも口に入れるものについては、できるなら避けたいところである。しかし、国産の原材料がないとなれば、ま、仕方ないか。

その中国の習近平が近々、モスクワに行ってプーチンに会うのだそうだ。その後ゼレンスキー・ウクライナ大統領とリモートで会談するとの情報も流れた。
台湾侵攻を考えているといわれる習近平としては、ウクライナ戦争でロシアに勝って欲しいところだろう。ひょっとしたら武器弾薬の供給を約束してしまうかも知れない。悪夢である。
しかし、いまのウクライナ戦争に停戦をもたらすことができるのも、見回したところ習近平しかいない。武器弾薬が欠乏し始めていることを材料にプーチンを抑えて戦争を終結させ、ウクライナに平和をもたらした功労者として

「ね、皆さん、中国って決して怖い国じゃないんですよ。平和を大事にするんですよ」

と国際的にアピールする。その延長上にあるのは

「だから、台湾を併合してもいいでしょ?」

という国際的な承諾を得ること。

どちらのシナリオも、あまり実現して欲しくはないが、さて、世界史はどう動くのだろう?