2012
11.16

2012年11月16日 衆議院

らかす日誌

解散、なのだそうだ。

「はあ?」

という間の抜けた反応しかできなかったのは、どうやら私だけではない。

「さあ、早く民意を問いなさいよ。あんたは嘘つきだ!」

と国会の党首討論でドジョウを責め立てていた、自民党のセコハン党首が、

「私は、今週末の16日にも解散しますよ」

といわれてあたふたし、

「ホント? あんた、ホントに解散しちゃうの?」

と素っ頓狂もないハイトーンで再確認を求めたシーン(カギ括弧の中は正確な引用ではない。念のため)を見る限り、安倍セコハンも、まさかこのタイミングで解散に打って出るとは思っていなかったらしい。むしろ、もっともっと

「嘘つき! これ以上嘘ついたら先生に言いつけてやるから!!」

と、子供じみた虐めを続ける方が楽しいと思っていた節がある。
ま、そんなことは無視して、とにかく、衆議院は解散・総選挙とあいなった。

困った。ねえ、あなたも困ってるんじゃありませんか?
こんな環境で、こんな時期に選挙。あなた、誰に、どこに投票します?

首相3代にわたって国民の期待を次々に裏切るばかりか、国民を振り回し、挙げ句の果てに約束したことと全く逆のことをやって

「決められる政治」

なんてほざいている民主党にはあきれ果てているし、かといって、いまの混迷の原因をすべて作りながら、わずか3年で野党なれしたのか、民主党の落ち度をあげつらう自民党にも何の夢も持てない。
さらに、さらに、維新や太陽なんていう、雑魚と老いぼれの寄せ集めを「第3極」などといって持ち上げる気分にはさらさらなれない。

さて、どうします?

昨日今日、数人の知人と雑談した。民主党政権がやっと終わることにホッとしたことでは意見が一致する面々である。だが、じゃあ、どうする、となると、そもそも意見めいたものが誰からも出ない。

「まあ、長い目で見れば、いまは夜明け前。いちばん暗い時間帯を過ぎないと朝日は昇らないのよ」

と私が賢人を気取って話しかけても

「でもなあ、真っ暗な中でも誰かを、どこかを選ばなければいけないし、私が投票にい行かなくても選ばれてしまう。だから、投票には行きたいが、今度の選挙で投票したい人も政党も見つからないんだよ」

と皆声を落とすばかりである。
挙げ句は、

「投票率は落ちるぜ、絶対!」

 「いや、無効票が増える。いまいわれている候補者や政党の名前を書くより、自分の名前を書いたり、『オバマ』、『マルクス』、『チャーチル』なんて、自分が好きな政治家の名前を書く人が急増する」

と、確信ありげに断言する人も。

「こんな選挙だったら、本当に国民のための政治をするって素人が立候補しても絶対通るって」

という輩には、

「俺には、国民のためになる政治をする自信はあるけど、立候補しても絶対に通らない自信も同じようにあるんだな」

といってやったら黙ってしまった。

そもそも、選挙で民意をまとめるのが無理であることは何度か書いた。民主党があれほど国民の支持を集めながら今日に至ったのはその明瞭な証左である。それは分かりながらも、それに代わるシステムがない嘆きも、何度も表明した。

でも、だったら、どうしたらいい?

世の中。すべての問いに答えが用意されているわけではない。当面、答えのない問いを問い続けるしかないのかも知れない。