2013
02.04

2013年2月4日 言葉にならなかったこと

らかす日誌

インフルエンザが一区切り着いて、さあ、これから、と意気込んでいたのだけれども、いつまでたっても鼻水が止まらない。朝からズルズル出てきて、何度鼻をかんでも、ズルズルと出っぱなしである。時折、くしゃみまで混じる。

「インフルエンザは治ったはずなのに、どうして症状だけがいつまでも残るんだよ!」

怒り心頭に発しそうになって、ふと気がついた。

「これって、花粉症?」

1日のことである。
その日、医者にいった。アレルギー症状を緩和する薬を出してくれた。

「これはアレルギーを緩和する薬で、1日1回飲んでいただければ……」

処方箋を持って訪れた薬局で薬剤師の話を聞きながら、これもまた、ふと思い出した。

「あのー、その薬って、蕁麻疹の薬と同じ? 数年前、蕁麻疹の薬を飲んでいたことがあるんだけど」

 「何という薬でした?」

 「いや、それは忘れたけど、1日に2,3回飲んでたな」

 「ひょっとして、アレグラ、ですか」

 「そうそう、そんな名前だったな。残りが、かなり大量に家にあるんだよね」

 「その薬でも結構ですが、でも、両方の薬を飲んだからといって効き目が強くなることはないので、飲むのはどちらか一つにしてください」

というわけで、その日からアレグラを飲んでいる。そういえば、蕁麻疹が出てこの薬を飲んでいるときは、花粉症なんか出なかった。そうか、医者に行かずに、アレグラを飲んでいればよかったのか。

ざっと計算して、アレグラが70錠ほどある。ということは、これで1か月以上は大丈夫だ。それに、今回薬局で買ってきた薬が28日分。ということは、3月いっぱいは医者に行かずに済む計算だ。
そのころ、スギ花粉が飛ばなくなっているとありがたいが……。

 

薬局で「アレグラ」という言葉が出てきて記憶が回復したように、ほかの人が書いていることを読んで、

「そうだよ、これだよ、俺が考えていたことは!」

と思わず首を縦に振ってしまうことがある。今日は、そんな文章を紹介する。

 先日、五月六日の夜でしたけれども、総理大臣や官房長官がとつぜん記者会見を始めて、「浜岡原発を止めましょう」といいました。私はやはり原発反対ですから、原発を止めるのは個人的には歓迎ではあるんですけれども、その手続きというのはほとんどなにもされていないのです。とつぜん止めましょうといっても、止めた後の電気の代替とか、いろいろなことを考える必要があるはずです。やはり民主主義国家なんですから、法律にもとづいて止めるべきで、まずは止めるための法律をつくることから始めるべきではないでしょうか。明日、あるいは一週間、一か月以内に地震があるということがわかっているのであれば、すぐ止めるべきだと思いますが、そうでないのなら手続きをふんで国民の合意をとらなければ、民主主義というものは終わってしまいます。
 たしかにフィーリングでは原発を止めることは受け入れられるから、「止めてくれたありがとう」といって、自動的に実行されてしまうのでしょうが、これでは、まさにナチスが計画的にどんどんやっていったように無秩序をつくりだしているのではないかという心配を、私は抱いてしまうのです。しかもいまの日本の場合は、計画的にではなく、無計画に無秩序をつくりだしているのではないか。

 

以上は、「線量計と機関銃」(片山杜秀著、アルテスパブリッシング)の60ページから抜き出した。そう、ここでいわれている「総理大臣」は、あのアホ菅である。福島の原発事故以来、脱原発を終生の使命と思い定め、先の衆院選でもっぱら脱原発を訴えたが見事に落選。比例区で復活当選した男である。

ねえ、首相までやった男が比例区で復活? 恥を知れ! といいたくなるが、今日の話題はそれではない。

そうなのだ。2011年5月6日、アホ菅が突然記者会見を開き、浜岡原発の停止を要求した。私は、あっけにとられた。
ま、私も原発は嫌いである。原発なしで電力がまかなえるのなら、それに越したことはないと思うものである。だが、総理が記者会見で、民間の原発操業を止める?
なんかそれ、どっかおかしくないか? 直感は私にそうささやきかける。だが、どこがおかしいのか?

あんたねえ、そりゃあ、原発なしで日本のエネルギー需要がまかなえるのなら、それに越したことはない。だけど、それが無理だから原発に頼ってるんでしょ? あんた、総理として責任感というのはないのかい?

とは考えた。だけど、直感がささやきかけた「どっかおかしい」の答えにはなりそうになかった。では、なにがおかしいのか?
ずっと喉にひっかかっていた魚の骨が、この文章を読んで取れた。
そうなのだ、アホ菅は、民主主義国家の首相として絶対にやってはいけないことをやったのだ。その手法はナチスと同じなのだ。

片山杜秀さんは、以前、皆様にご一読をお勧めした「未完のファシズム」の著者である。この人は鋭い。著書を通じてではあるが、しばらくお付き合いしたいと思っている。

にしても、久しぶりに思い出したが、アホ菅、今ごろ何をやってるのかねえ……。