2016
05.01

2016年5月1日 問題多発

らかす日誌

私は、デジタル一眼レフカメラを持っている。NIKONのD-750という機種である。

7年ほど前から同じメーカーのD-90を使っていたが、連写能力が劣るのと、ハイビジョンでの動画が撮れないことで見切りをつけ、1ヶ月ほど前に買い換えた。我が生涯で最後に使うカメラと思い決め、思い切ったものである、古い方は、やがて長男が引き取る運びになっている。

買い換えて、その撮像能力に驚いた。日没直前、薄暗くなった野外でノーフラッシュで撮った桜が、まるでライティングに技術を懲らしたかのようにくっきり写っていた。

「この暗さで、何で?」

たまたま一緒にいた桐生市のO氏と2人で驚いたのは4月はじめだった。

で、そのようなカメラが身辺にあると、やっぱり使ってみたくなる。
昨日の日誌でご報告したように、先月末に瑛汰と璃子の一家がやってきた。被写体としてこれほど好ましいものはない。ぐんまこどもの国には、こいつを携えていったのはいうまでもない。

で、動画撮影に挑んでみた。カメラで動画を撮る。あまりやったことがなかったので、たいしたものは撮れなかった。が、4本撮ってパソコンに移し、今日は朝から、こいつをディスクにしてやろうと取り組んだ。

付属のマニュアルをひもといた。困ったことに、ディスクにする方法は書いてない。それではと、ネットで検索してみると、どうやら撮影したファイルをそのままディスクに焼いても、ブルーレイのプレーヤーでは再生できないとある。何でも、ファイル形式を変えないといけないのだそうだ。
さあ、困った。そんな知識、私にはない。

困った時は、メーカーの相談窓口である。

「というわけで困っているんですけど」

窓口の女性はにべもなかった。

「はい、当社のカメラで撮影した動画はmov形式のファイルになっており、そのままでプレーヤーで再生できるかどうかはわかりません。HDMIケーブルでテレビと接続しての再生ならできますが」

いや、それだったら、撮影済みの動画は、ずっとカメラの中のメモリーカードに残さねばならないではないか。それでは使い勝手が悪いので、ディスクにしたいのである。

「ああ、それは、お客様の方でやっていただくしかないわけでして」

だって、そのままディスクに焼いても、プレーヤーでは再生できなっていうじゃないの。それとも、どこかのメーカーのプレーヤーだったらできるわけ?

「それは当方ではわかりかねます。再生プレーヤーは当社ではつくっておりませんし、お作りになられているメーカーさんによって違いますから」

だったら、どこ製のプレーヤーだったら再生できる?

「先ほど申し上げ通り、当社ではプレーヤーをつくっておりません。他社製のプレーヤーで再生試験はしておりませんのでわかりかねます」

それって、無責任極まりないんじゃない? ユーザーの何割が、私のようにディスクにしたいと思うかは知らないが、その方が使い勝手はいいわけだし、せめて代表的なプレーヤーメーカーとの互換テストぐらいしたらどうなの? その結果を、本来ならマニュアルに記載すべきだろうけど、もうマニュアルは作っちゃったあとだから、せめてホームページで公開しらどうなのよ。
でも、ということは、ディスクにしてテレビで鑑賞することはできないってこと?

「ご自宅のパソコンでファイル変換していただいて、プレーヤーでも鑑賞できるようにしてディスクをお作りになったらいかがでしょう」

おいおい、マニュアルには、そんな記載は一切ないぞ! そもももファイル変換、っていうけど、どうやったらそんなことができるのさ。

「当社は、あくまでカメラをつくっておりまして、そのような変換ソフトを持ってはおりません。お客様の責任でやっていただくしかございません」

まて、まて、まて! それって、本当に無責任だな。本来なら、プレーヤーで再生可能なファイルに変換するソフトを付属すべきだし、それが間に合わなかったら、このようなソフトが世に出回っており、それをこのように使えば希望が叶えられます、という説明をマニュアルに入れるべきだろ!? マニュアル制作までに間に合わなかったら、ホームページで公開するとか、遅ればせながらできたソフトをホームページからダウンロードさせるとか、やりようはいくらでもあるだろ!

「はい、お客様のご意見は拝聴しておきます」

あのさ、その時は拝聴してくれても、3分もすると忘れてしまう、ってのがその決まり文句の中身だよね。こんなに困っている客がいるのに、NIKONは放っておくのかよ!

「申し訳ございません。頂いたご意見は上に伝えますので」

お、上に伝えてくれる! だったら、その「上」から返事が欲しい。私がしたいことを、こうすればいいという解答を示していただきたい。

「申し訳ございません。こちらからお客様にお返事を差し上げるようなことはいたしておりません」

だったら、俺の意見が上に伝わったかどうか、私はどうやって知ることができるの? 知る手段がない限り、あなたがいましゃべっているのはその場を取り繕う無責任な言葉の羅列としか考えられないんだけどね。

まったくもって、無駄の上に無駄を重ねるだけの会話であった。しかも、電話用料金はこちら持ちである。これまで、NIKONというカメラメーカーを信頼してきただけに、裏切られた気持ちである。

思いついて、パナソニックに電話をした。
という次第で困ってるんだけど、あなたの会社のプレーヤーで再生できるようにするには、どんなファイルに変換したらいいんですか?

「はい、AVCHDかMPEG4に変換していただければ大丈夫です」

その変換っていうヤツは、どうしたらできるんです?

「フリーソフトがたくさん出回っています。まず動画をパソコンに取り込んでいただいて、そのフリーソフトで変換していただくわけです」

なるほどね。どうもありがとう。

3分ほどしたら、パナソニックから電話が来た。

「先ほど、AVCHDかMPEG4と申し上げましたが、調べたところ、当社の古い機種ではMPEG4はサポートしておりません。間違ったことを申し上げて済みませんでした」

そう、AVCHDにしておけばすべてで再生できるのね。

それにしても、メーカーによって窓口対応がこれほど違うのはどうしたことか。ユーザーはここから、メーカーの体質を読み取るしかない。

で、AVCHDである。
有益なことを知ったと思い、movからAVCHDに変換するフリーソフトを探した。ところが、だ。ないのである、これが。
私の嫌いなWINDOWS対応ソフトなら、ある。有料ソフトなら、ありそうだ。が、私が使うMacとなると、なかなかない。

「あった!」

と喜んでダウンロードしてみると、OSのバージョンが違って動かない。私のOSは10.6。10.7なら動くのだが、そうすると、いま使っているソフトが使えなくなる危険がある。で、10.6で指定して検索しても、なかなか思ったソフトに行き着かない。
さて、どうしたものか。この課題は、しばらく持ち越しそうである。


で、今日の不幸はそれだけではなかった。親しんで使っていたDysonの掃除機が、突然病気になった。

久々の晴天で、車を洗った。ついでに室内もきれいにしようと、こいつを持ち出した。ところが、不可思議な動きをする。元気のいい時なら、

グイーン

と回り続けるのだが、今日は、

グイーン、グッ、グッ、グイーン、グッ、グッ、グッ

という具合で、息づかいが違う。ま、それでも回っているのだからと車内のゴミを吸い取らせようとしても、吸い込まない。おかしいなと思って吸い口に手を当てても、ほとんど吸引力がない。

壊れたか?

あとでネットで見ると、

「経験上ダイソンの掃除機は3年経っていたら、故障のオンパレードです」

「ダイソンは、技術力は高くないんです。販売戦略に長けているだけです」

というページが目についた。関心を持たれた方はこちらをごらん頂きたい。それによると、Dysonなんて買っちゃいけない銘柄の代表で、国産のマキタの掃除機の方が遙かに優れているとある。

マキタ、ね。ええ、一時は考えましたよ。でも、デザインが行けてないし……。しかし、そんなにいいのなら、買い換えを検討しなくっちゃ。


今日の最後の不幸は、TSUTAYAから届いたCDである。キング・クリムゾンの「太陽と戦慄」なのだが、これ、盤面が傷だらけで、リッピングができない。通常は、読み間違った時のリトライ回数は100回でリッピングするのだが、それを3回に減らしても読み込めないのだ。

ために、そのまま送り返し、

「今回到着したキング・クリムゾンの「太陽と戦慄」が盤面傷だらけのため、リッピングできません。番号を書けとありますが、どれが指定の番号か不明ですのでそのまま送り返します。同じCDの傷がないものを再送して下さい」

とメールを出した。
すると

「この度はご連絡いただき、ありがとうございます。また、ご迷惑をお掛けしましたこと、深くお詫び申し上げます。『リッピングできません』とのご申告ではございますが通常再生はいただけたでしょうか。リッピングいただいた場合は、リッピングソフトの不具合の可能性もございます為弊社ではサポートしておりません。通常の再生プレーヤー等で再生いただけない場合はあらためてご連絡ください」

との返事が来た。ムッとした私は、

「すでに返送したので、通常の再生ができるかどうかは確認する術がありません。ただ、パソコンのドライブであれほどひっかかるものですから、CDプレーヤーで再生できたとしても、音質は相当に劣化していると考えるのが普通です。パソコンのドライブでひっかかるということは、デジタルデータが正常に読めない状態にあることを意味します。これをプレーヤーにかけた場合、読めないところは補正回路が働いて、音だけは出て来るはずです。ただ、それは元の音とは比べものにならないぐらい劣化しているはずです。それでも、音が出るのだからいいではないか、というのがTSUTAYAなのですか? 利用者は「これ、録音が悪いな」といっていればいいのですか?これほど傷がつくような使い方をする利用者も問題だとは思います。だけど、CDの音楽の使い方は人それぞれです。私は自宅にネットオーディオを導入して以来、CDをそのまま再生することはなくなりました。すべてリッピングし、flacファイルに変換して再生しています。心外な返信をいただきました。再度のお返事をお待ちします」

と、怒りのメールを返した。


ああ、私が67歳を迎える月の最初の日なのに、ろくなことがない日であった。