2019
12.27

典型的な汚職だが、贈賄側が中国企業だったことが気持ち悪い。

らかす日誌

自民党の惚け茄子が中国の会社から賄賂を受け取っていた。日本にカジノを作ろうという国の施策に影響力持つ内閣府の副大臣だったというから、典型的な汚職事件である。賄賂の額は確か300万円と報道されていたが、そんな微々たる額ではあるまい。また、地検特捜部はあちこちガサ入れしているようだから、事件はもっと大物の登場、という時期を迎えるのかも知れない。

利権に絡む金銭のやりとりが表沙汰になるのは久しぶりのことだ。事件を手がける特捜部も、報道に当たる記者さんたちも、それなりに空気が入っていることだろう。
だが、私が目にした限りの報道では、国会議員が逮捕されたことに焦点が当たりすぎているような気がしてならない。国会議員とは悪いことをする生き物である、とまではいわないが、極めて利権の近くにいる議員がたくさんいることは間違いない。そこには民間の、金の亡者たらんとする不逞の輩がアタックを繰り返すのは理の当然である。人間、誘惑への抵抗力は人それぞれだから、一定比率で金に目がくらむ国会議員が出ることは避けられない。最近、この種の事件をあまり聞かなかったことの方が異様だったともいえる。
つまり、この事件を国会議員と民間企業との贈収賄と見れば、

「またか」

というありふれた事件に過ぎない。
政府がこれから進めようとしているカジノ建設には、国民の間にも賛否両論がある。そんな話題性のある政策に絡んでいることが、人目を惹く程度である。まあ、政府のカジノ推進派は

「こんな時期に!」

と苦虫を噛みつぶしていることだろう。
もっとも、苦虫を噛みつぶしながら

「俺の収賄はばれてないよな」

ビクビクもしているかもしれないが。

まあ、どう表現しようが、要は政策に影響力を及ぼすことができるポジションにいたヤツに、いい思いをしようと考えた民間企業が金を渡し、

「だから、よろしくね」

とよしみを通じようとした贈収賄事件である。古今東西、珍しくもない。おそらく、政策を決めるポジジョンが社会に必要である限り、将来も何度も繰り返される犯罪だろう。

だが、なぜかこの贈収賄事件が気になって仕方がない。問題は、贈賄をしたのが中国の企業だということである。この秋元という衆議院議員、少し古い言葉を使えば「売国奴」ではないのか? 日本の権益を外国に金で渡そうとするヤツは裏切り者ではないのか? 自民党籍は返上したらしいが、こんなやつを国会に置いていていいのか?

中国の資本が日本を買い漁っているとは週刊誌などで読んだ記憶がある。これも心穏やかではいられないが、しかし、それは民間同士の取引である。法的な制度を整備しなければ止めることはできない。バブル時代、日本の資本が世界に飛び散り、あれこれの資産を買い漁ったことを思い出せば、相身互いのような気もする。
しかし、少なくとも、行政当局が日本の権益を外国資本に譲り渡したという事実は記憶にない(ひょっとしたらあったかもしれないが……)。ましてや、賄賂を受け取って日本の権益を外国に渡そうとした卑劣感がこれまでいたか?

資料に囲まれているはずの記者さんたちには、そのような切り口でこの事件に違った光を当てていただきたい。ひょっとしたらそのようなどうしようもない愚劣なヤツは、私が知らないだけで、日本にもいたのかもしれない。それを知ることも、自分の国を理解する上で大事なことだと私は考える。

これは単なる贈収賄事件ではない。このような人物を副大臣に任命した安倍内閣、あるいは自民党の体質を根本から問輪根羽ならない異様な事件である。
記者諸君の奮闘をお願いする。