2021
10.17

HDD救出大作戦の中間報告です。

らかす日誌

我が家の外付けHDDが異変を起こしたのは今月11日であった。その日から翌日にかけて、レスキュー天使が2人も現れたことは報告済みである。このお2人のアドバイスを元に、私は先週木曜日からHDD救出大作戦を始めた。始めたがまだ終わっていない。今回は中間報告である。

行動を起こしたのは14日木曜日だった。問題のHDDをiMacから取りはずした私はそれを紙袋に入れ、O氏宅に向かった。彼はウインドウズユーザーである。

「俺さあ、仕事でパソコンを使っているから、データ保存には気を使ってるんだよね。何とかなるかも知れないから持ってきてみなよ」

という彼の力強い言葉にすがろうと思ったのである。
ところが。

「あれ、このパソコンじゃ認識しないよ」

そうなのである。Macならウインドウズ用にフォーマットされたHDDも認識するが、ウインドウズはMac用にフォーマットされたHDDは無視してしまうらしい。

「どうだ、Macの方が賢いだろう!」

といいたいところではあるが、いまはそんな時期ではない。私は失われかけているデータを救出するためにここにいるのである。パソコンがHDDを認識しないのでは、O氏にも救出のしようがないのは当然のことである。

そこで、先日ご紹介したお助けマン、レスキュー天使の1人から教えていただいた「CrystalDiskInfo」というアプリをO氏にダウンロードさせ、インストールしてもらった。そして、これを立ち上げる。

なるほど、このアプリは我が傷だらけのHDDをみごとに認識した。診断すると体温は27℃。様々な項目が出て来て、ほとんどは健康状態にあるという青マークだったが、

・代替処理保留中のセクタ数
・回復不能のセクタ数

がともに「要注意」の黄色マークだ。現在値はそれぞれ200とある。正直、何のことか分からないが、やっぱり何処か悪いらしい。

うん、何処か悪いことは分かった。でも、治療法は?
O氏の顔を見た。

「わかんねえな」

という表情である。O氏の顔を見るほどだから、私にも皆目分からない。2人のオヤジが顔を突き合わせてワカリマセンという顔をしているのは美しい図ではない。それに、この場に止まる理由は全くない。やむなく私は、傷ついているHDDを元通り紙袋に納め、帰宅したのであった。

自宅で思う。

「どうする?」

新しい4テラのHDDはすでにAmazonから届いていた。しかし、傷ついたHDDからデータを抜き取れないのでは、話が先に進まない。どこかに回答はないか?
念の為にネットであれこれ検索してみた。その結果行き着いたのが、壊れたHDDのメーカーであるIODATAが提供している「EaseUS Data Recovery Wizard」というアプリである。HDDの様々な不具合に対処出来るという。藁にもすがる思いでこれをダウンロード、インストールした。

立ち上げる。立ち現れた「貯蔵4T」(これが傷ついたHDDの名前です)の横にあるスキャンボタンを押す。やがてHDDの中身が少しづつ現れてきた。しかし、なかなか終わらない。何しろ3.5テラほどもデータを詰め込んでしまったのだ。スキャンにも時間がかかるのだろう。画面には

「スキャンが完了するまで、本プログラムを終了しないでください」

とあるのだが、5時間たっても8時間たっても終わらない。相変わらずスキャン中である。それに、スキャン済みと表示されるファイルの数が異常に少ない。

しかし、である。嬉しいことに気が付いた。これだけ長時間、「貯蔵4T」の接続が切れないのである。末期には頻繁に接続が切れるからデータのコピーが出来なかったのに、である。
しかもこのアプリ、スキャンして検出したファイルにチェックを入れると、修復ボタンが現れる。これはありがたや! ファイルが悼んでいても復元出来るんだ! とボタンを押した。すると、1ヶ月しか使えないアプリを、何と1万2089円で買え、という画面が出た。
流石ビジネス! 無料でサービスする気はないのね。そんなもん、買えるか!

ふと思いついた。

「貯蔵4Tの接続が切れないのだから、このままデータコピーが出来るんじゃないか?」

私は「EaseUS Data Recovery Wizard」にはスキャンさせたまま、「貯蔵4T」のデータを新しいHDDにコピーし始めた。おお、できる、できる! 速度は遅いが、コピーが出来てるじゃないか!

こうしてかなりのデータを新しいHDDに移した。総量で2テラバイト前後あるflacデータだけは断念した。コピー速度が遅すぎる。これなら、音楽を聞くのに使っているNASからコピーした方がいい。

こうして、かなりのデジタルデータを救出出来た。
新しいHDDに移すことができたDVDデータはiMac備え付けのDVDプレーヤーで再生してみた。映画2本を除いて、どれも正常に再生する。冒頭だけの再生だが、データが壊れていれば全く再生は出来ないはずなので、これでいいだろう。

残ったのは大河ドラマである。横浜の瑛汰が日本の歴史に興味を持ったとき、

「ボス、大河ドラマの昔のやつを見たいんだけど」

と言ってきたので、TSUTAYAでレンタルしてリッピングしたものだ。これも8割方はコピー出来、データが壊れていないことも確かめたが、「義経」13本中、コピー出来たのは2本だけだった。「貯蔵4T」の接続が不意に切れ、コピーがそこで止まったのである。残り11本
いま、うち2本のコピー中である。どういうわけか、作業を繰り返すうちに「貯蔵4T」空の読み出し速度がどんどん遅くなり、11本ま止めてのコピーでは悪くすると1ヶ月もかかりかねない。途中で接続が切れる恐れは十分にある。そこで、たった2本、16.87GBのデータを昨夜からコピーしているのに、昨夜は残り時間3日と出た。今朝はそれが2日となり、いまは残り1日である。この時間(午後11時03分)までにコピー出来たのは8.23GB。全くウサギとカメのウサギの歩みだ。あの話では、最後はウサギさんが勝つのだが……。
この2本が正常にコピー出来れば、残り9本のコピーにも取り組む。さて、1週間で終わるか、半月もかかるか。

そうそう、なかなかスキャンが終わらない「EaseUS Data Recovery Wizard」に苛立った私は、

「スキャンすべきデータが多すぎるのも一因に違いない」

と考え、「貯蔵4T」のflacデータ、コピーが終わった映画や音楽のDVDデータをゴミ箱に捨てた。
Macの場合、ゴミ箱に捨てても記憶媒体にはすべて残っている。これを消し去るには「ゴミ箱を空にする」という作業が必要である。だから「EaseUS Data Recovery Wizard」に楽をさせるには、ゴミ箱を空にしなければならない。私はこの作業をパソコンに命じた。
ところが、なのだ。この作業がなかなか終わらない。3.5テラのデータのうち、捨て去った分は3テラ近いはずだ。残りは500GB程度のはずなのに、「貯蔵4T」の中をみると、まだ3.4テラほどのデータが残っている。ゴミ箱を空にする作業が進まないのは、やはり「貯蔵4T」の読み出し速度が極端に遅くなっているからだろう。

「義経」のコピーが終われば、「貯蔵4T」を取りはずそう。そうすればゴミ箱はすぐに空になるはずだ。
いや、先日のレスキュー天使のお一方から、MacTheRipper(私がDVDをリッピングした無料ソフトですが、MacのOSのバージョンが上がって使えなくなりました)に代わるソフトをご紹介いただいた。「義経」はDVDに焼いてあり、このソフトを使って改めてリッピングした方が速そうでもある。
さてどうするか。思案のしどころである。