2022
02.15

皆様、冬季五輪はご覧になっていますか?

らかす日誌

中国で開かれている冬季五輪。私の場合は、なんだか全く見る気がしない。

オリンピックは政治からの独立を歌っている。しかし、今回の冬季五輪ほど政治にもみくちゃにされている五輪も珍しいのではないか。そりゃあ、去年開かれた東京五輪だって、元々は亡くなった石原元都知事が、政治家として

何かやってる感

を演出するために招致の旗振りをしたのだし、ガースー内閣はこれを内閣支持率向上策としてコロナ禍のもと、押し切るようにして開催した。膨大な国費という名の税金を注ぎ込んで、権力者が自らの利を図る。これも立派なオリンピックの政治利用である。

習近平政権はもっと露骨である。石原慎太郎もガースー氏も可愛らしく見えるほどだ。とにかく、人権問題、ごり押しの覇権主義、情報統制、香港・台湾問題……。あれこれの中国の悪い評判を何とかしたい。その意図が透けて見えるどころか、意図が舞台中央で踊り狂っているようなものだ。

スポーツは政治から独立すべきだ、と主張する新聞も、北京にあの国の首相は行かないとか行くとか、いわるゆ首脳外交のドタバタぶりを、余り批判を交えずに報道する。各国首脳を招く習近平政権が五輪を政治利移用しているのは明白だが、誘われて北京に乗り込んだ首脳も、今の中国には首脳を派遣しないという各国も、立派に五輪を政治利用しているのだが、オリンピック精神でそのドタバタぶりを批判するのは見た記憶がない。。

IOCのバッハの動きは、まさに政治的である。五輪はまず商業主義にまみれ、次いで政治に骨までしゃぶられようとしている。そんな有様を見ていると、とてもじゃないがNHKが力を入れる五輪の生中継など、見る気になれようか?
こんな五輪に誰がした? そろそろ五輪、五輪と騒ぎ回るのは終わりにしないか?

話を少しずらそう。
という私も、全く見ないわけではない。昼食時、夕食時にテレビをつけると、五輪しかやっていないからやむなく目に入るのである。確かに民放、BSには普通の番組をやっているところもあるが、正視に耐える番組はまずなく、やむなくNHKにすると五輪……。

で、見ながら思った。
冬の五輪って、サーカスの競技会か? 飛ぶ、跳ぶ、回る、滑る……。どうみてもサーカスの腕自慢にしか見えない。サーカスの妙技には惜しみなく拍手を送るが、あれはオリンピックという晴れやかな場で、誰が一番上手いかを競うものなのかな?

さらに話題を転じる。
最近、「らかす」へのアクセスに変化がある。随分昔に書いた原稿へのアクセスが急増しているのである。

クール・ランニング

1988年のカルガリー冬季五輪のボブスレー競技にに、常夏の国ジャマイカから参加したチームの実話に基づく映画である。
名古屋での単身生活の間に見たから、多分1991、2年。これを原稿にしたのは2005年12月、いまの「らかす」にアップしたのは2017年8月のことだ。どの時点を取っても

「古い!」

の一言で切って捨てることができる。

そんな古い原稿へのアクセスが何故増えるのか? 当初は不思議としか言いようがなかった。が、2、3日して頷いた。

「これ、北京の冬季五輪効果なのね」

念の為に、「北京の冬季五輪 ボブスレー ジャマイカ」で検索してみた。何と、ジャマイカのボブスレーチームが24年ぶりに出場するとある。
きっと、かつての私と同じように

「えっ、常夏の国ジャマイカから、ボブスレーのチーム?」

と怪訝に思った方がっそれなりにいらっしゃったのだろう。そして、「ボブスレー ジャマイカ」などで検索し、何故か「らかす」にたどり着かれたのだと思う。

しかし、折角「らかす」にたどり着いていただいた方々には申し訳ないが、筆者は上に書いたように、今回の冬季五輪には甚だ懐疑的である。いや、いや、腹立たしくさえ思っている。
それにしても、カルガリーの頃はオリンピックに疑問を感じることがなかった。いってみれば、古き良き時代だった。それに引き換え、現代の何と世知辛いことか。

私の「クール・ランニング」をお読みいただいている方々は、こんな筆者が、爆笑し、涙し、何とかこの面白さを文字にできないかと、ない知恵を絞って書いたものだということをお知り頂いた上で楽しんでいただければ幸いである。