#85 世界最速のインディアン ― 7歳児の心(2008年8月18日)
まだ眠る男の顔にカメラが寄る。たるんだ皮膚、縦横に走る深い皺が画面を埋め尽くす。 枕元の…
まだ眠る男の顔にカメラが寄る。たるんだ皮膚、縦横に走る深い皺が画面を埋め尽くす。 枕元の…
1985年10月に産声を上げたテレビ朝日の「ニュースステーション」は鮮烈だった。午後10時…
昨今の男どもは、何故にかくまでも軟弱化し果てたのか、とお嘆きのあなた。私も同じ憂いを共有す…
父無(ててな)し児! 父親のいない子を哀れんで呼ぶ時に使った。やや侮蔑語でもあった。 …
男と女が人目も憚らずにしっかり抱き合い、オンオンと声を放って泣いていた。男の顔は煤で真っ黒…
気にはなっていた。なにしろ、米国・ペンシルバニア州のスリーマイル島原子力発電所事故を予言し…
大学は法学部を目指した。社会は2科目選択である。日本史と世界史を選んだ。 味気ない暗記作…
テイラー: Oh, my God! I’m back, I’m home!…
今回は通常の2倍の手間をかけた。従って、渾身の力作である。勝手な思い込みは、私の特技である…
不倫、不義密通、姦通、私通、邪淫、密通、よろめき、不貞、浮気。 世に入れられぬ男女の契り…
他人の恋愛とは、存外退屈なものである。初めての恋かも知れない。身を焦がす恋かも知れない。路…
週刊朝日が、「ちょいモテ・オヤジの『中年老け易く、艶成り難し』」というコラムを連載中だ。筆…
「酒は敵(かたき)ぞ!」 同居していた祖母から何度も聞かされた。幼き日の思い出だ。 …
ドキッ。 私の小さな胸で、心臓が大きな音を立てた。甘酸っぱい痛みが広がる。恋のときめきに…
「シネマらかす」はかつて、「シネマ・アンドレ」といった。デジタル・キャスト・インターナショ…
「あんたは大器晩成型ち言われたつよ」 叔母にそんなことを言われたのは、もうずいぶん昔…
時折、不愉快な電話がくる。自宅、職場を問わずにである。極めつけはこんな具合だ。 「大…
我が知人に、セックスレス夫婦を公言する男がいる。30代半ばである。結婚当初はいたしたらしい…
「お父さん、黒澤の映画でどれが一番好き?」 息子の唐突な問が私を襲った。 「1…
夏目漱石は、「草枕」をこう書き出した。 山路を登りながら、こう考えた。 智に働け…
日本は、もっと不安定な、皮膚がピリピリするような危機感、軍事的緊張感のある国にならねばなら…
株には縁がない。買ったことがない。見たことも、触ったこともない。 いや、正確には、自分の…
大学生のころ、私には苦手があった。 女性 である。初めて2人っきりで会う女性が…
今回は、初めての試みに挑む。 これまで「シネマらかすは」、見て面白かった映画、楽しかった…
過去に材料を取った物語を時代物、時代劇といい、まだ見ぬ未来で話が展開するものをSF (サイ…
名古屋で単身生活をしていたときのことだ。新聞広告で見た瞬間から心が騒いだ。 「ボブス…
天国。極楽。西方浄土。 善行を積めば、神を信じれば、南無阿弥陀仏と唱えれば、死後、そこへ…
私が名古屋に単身赴任した時代があったことは、この日記を読み継いで頂いている方には既知の事項…
芸術は爆発だ どこかの芸術家がいった。 爆発? 何が爆発するの? ゴッホの絵が爆発する…
ナチスという歴史的犯罪は、映画人の感性をいたく刺激するらしい。ナチスが政権の座に着いた直後…
「最後の親鸞」(吉本隆明著、春秋社)を読んだ。古書市で、確か680円で手に入れたまま、1年…
古(いにしえ)の人はすごい。思わずうなってしまうほどの警句を数多(あまた)残した。人と、人…
どんな時代にも、どんなところにも、青春ってあるものだ。豊かでも、貧しくても、平和でも、戦乱…
8月末、東京・築地の浜離宮朝日ホールでジャズを聴いた。前田憲男、国分弘子のピアノ・デュオに…
1987年秋の週末、アイルランドの首都ダブリンまで足を伸ばした。ロンドンに行ったついでだっ…
人にはそれぞれのGスポットが存在する。俗に言う、琴線である。ここを上手く刺激されると、身も…
普通の方々にはあまりおなじみではないかも知れないが、Sir Walter Raleigh(…
「らかす」を読み継いでいただいている方々の記憶には、ひょっとしたら我が幼き日々の断片が残っ…
フィラデルフィアとは、古代小アジアにあった都市の名前だそうだ。「The City of B…
忍者になる。子供のころ、それは将来設計の一角を占めていた。特殊な術を身につけ、闇に溶け込み…
「大道さん、楽器は何をやられます?」 私の秀でた姿形、高い知性、巧まずして会話からに…
クレタ島の北西208kmの海底でマグニチュード7.8の地震が起きた。海底地震は大きな海水の…
私をパブロフの犬にしてしまうメトロノームは、この映画の主題曲である。いつ聴いても、何度聴い…
我が家に2枚組のCDがある。Thomas Beckmannが演奏する >>Oh! T…
思わずポケットのハンカチを探って溢れ出る涙を拭うようシーンは、 ない。 俺の人生、これ…
人生はつらい旅 苦労ばかりが続く 人生はつらい旅 子供さえ老いてしまう 険し…
しかし、まあ、これを家と呼ぶのだろうか? ドアはある。窓もある。でも、画面から判断すると…
まだ幼少の折、私は少しませたガキであった。夜の楽しみは、親父と一緒にラジオを聞くことだった…
「大道君、なんということをしてくれたんだね!」 顔をあわせるなり、職場の上司が私を怒…
極めて無能な上司のもとで働いたことがある。その名を K という。 物事を知らない。社会的…
なるほど、民族とはこのようなものかと思う。 海洋という防壁で隣国と隔てられている日本とは…
夕方、銀座を歩いていた。有楽町マリオンの前で見覚えのある顔に出くわした。長髪を風になびかせ…
小学校の職員室で、私は震え上がっていた。 目の前には、西木戸先生がいた。椅子に座っている…
私がJazzという音楽を聴き始めたきっかけは単純である。私に一言の断りもなく、The Be…
一休さんの狂歌である。流石に、この橋通るべからず、といわれて平然と渡り、「はし」は…
今年2月末、土曜日というのに東京・有楽町の有楽町朝日ホールまで出かけ、「朝日名人会」を聞い…
第58回直木賞を受賞した野坂昭如さんの「火垂るの墓」を読んだのは、大学生のときだった。実家…
1980年、私は名古屋にいた。1982年4月、東京に転勤して浦安に住んだ。同年8月、横浜市…
「あなた、嘘ついてたのね。奥さんも子供もいるんじゃない!」 などという心臓に悪い一言…
私はリーガルサスペンスなる分野の小説を極めて好むものである。それも海外物がいい。陪審員がい…
中学生の時だ。生徒会長だった1年先輩の安藤さんが浮かぬ顔をしている。元気がない。日頃快活な…
読者から、私の無知を埋めていただくありがたいメールをいただいた。ご紹介する。 まず、1通…
東京電力の社長、会長、経団連会長と華麗なキャリアを持つ平岩外四さんを昨年、東京都内のレスト…
世界の歴史は、日本ほど豊かで平等な社会を持ったことがない。最近はやや崩れてきたが。 …
人の世は、様々な約束事でできあがっている。 赤は止まれ、青は進め は、人と車…
何度も書いたように、私は生粋の九州男児である。 我が故郷で、男を最大に侮蔑する言葉は、 …
ある日、私のパンツがすべてCalvin Kleinになった。私がねだったのか、妻が自主的に…
アル・パチーノとの出会いは、ご多分に漏れず、「ゴッド・ファーザー」だった。 (余談) …
「スミス都へ行く」は、フランク・キャプラ監督が、アメリカの子供じみた、おとぎ話とも言える民…
ほんとうは身も凍るほどに怖い、でも限りなく美しい初恋の物語である。 学校を出たのにほ…
「いまを生きる」を我が家に持ち込んだのは、長男だった。レンタルビデオを借りてきて、 …
小さな男の子が、縫い針の穴に糸を通す。通した糸を適度な長さに切り、丁寧に針山に刺す。次の針…
逆玉の輿、略して逆玉は、未婚男性の理想である。資産家のひとり娘に見初められる。彼女の親があ…
見るたびに楽しくなる。心が躍り出す。 「天使にラブ・ソングを…」は、そんな映画である。家…
独り暮らしのつれづれに任せて見た。名古屋に単身赴任していた時のことだ。 横浜に帰るの…
我が妻は、何かがほしいと言い出したことがほとんどない。彼女の労働軽減を思って食器洗い機を買…
目、に強く惹かれた。心がホカホカになった。 3人の高校生のひと夏の話である。 女の…
前回の「ジャッカルの日」について、職場の同僚からメールをいただいた。世の中には碩学がいるこ…
見てから読むか、読んでから見るか。 最近は、そんなキャッチコピーをかぶせた本が結構あ…
映画館を出て、思わず 「この映画、2度と見たくない」 とつぶやいてしまった経験…
それまで酔眼朦朧としていた我が目が、ぱっちりと開いた。午前2時過ぎ、場所は伊豆・修善寺の旅…
男子たるもの、人前で涙を見せるべからず。九州男児が後生大事に持ち続ける価値観である。 私…
子供のころは歌謡曲を聴いた。中学生になってからはポピュラー音楽にどっぷり浸かった。何故かク…
ふむ。 映画館を出て、何かがずーっと引っかかっていた。ストンと落ちないものが、頭の片隅を…
“Rubber Soul” が私の人生を変えた。 一風変わったメロディのギターイント…